賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
不動産とITを促進する一般社団法人不動産テック協会は2021年7月8日(木)カオスマップ部会によるオンラインセミナーにて不動産テックカオスマップ第7版が公開されました。
2017年の不動産テック第1版では80サービスの掲載でしたが、最新版の第7版は446サービスの掲載となり、昨年比で94サービス増加しました。
過去4年間で不動産テック市場は急速に拡大しています。
不動産テックカオスマップ 最新版(第7版)の発表時に行われた、「不動産テックカオスマップ 最新版(第7版)発表セミナー 2021」のオンラインセミナーでは、株式会社NTTデータ経営研究所シニアマネージャー 川戸 温志氏、不動産テック協会理事 浅海 剛氏(株式会社コラビット 代表取締役社長)、不動産テック協会代表理事 赤木 正幸氏(リマールエステート株式会社 代表取締役社長)、らが業界全体への考察と、撤退の多かったジャンルと新しい参入の多いジャンルなどの報告が行われました。
株式会社NTTデータ経営研究所シニアマネージャー
川戸温志氏
「コロナ禍でも不動産テックサービスは追い風である。海外のサービス提供企業も国内に進出し始めた」と不動産テックの認知度向上を述べた。
今後は、日常生活にも必要な要素をいかに取り込めるかが注目される。
例えば、スマートロックを活用した置き配やオフィスのオンラインマッチングサービス、3Dプリンターの住居作り、在宅ワークの普及によるリモート関連のサービスの普及、家の中まで荷物が届くような世界観が今後進むのではないか。
不動産を中心に物流やスマートシティなどの業界全体がテックに進んでいくような波を感じている。
と不動産だけでなく、市場の流れの変化についても話した。
また、今後気になるサービスやカテゴリーについて尋ねられると
「価格可視化や物件情報など、一社で査定するのではなく、各社を横串で刺して全部のサービスの平均値をとるといったサービスに注目している」と答えた。
不動産テック協会理事 浅海剛氏
(株式会社コラビット代表取締役社長)
1年間の不動産テックの変化について浅海氏は「コロナ禍という厳しい状況だったが、みなさん耐えしのいでいる印象。撤退は最小限にとどまっていると思う」と述べた。
今後、気になるカテゴリーやサービス、企業について問うと「個人的には新しくはじまったマッチングサービスに注目している」と答えている。
不動産テック協会代表理事 赤木正幸氏
(リマールエステート株式会社代表取締役社長)
赤木氏は「業務支援は引き続き増えている。今までと違うのはコロナ禍で、情報の可視化、AR•VRなどのバーチャルホームステージング、非対面ニーズに対応するサービスが増えた」と説明している。
また、「サービスは独自開発の必要がなくなった。」
「クラウドファンディングなどの仕組みがすでに作り込まれた一括システムの提供や、不動産事業者が自分たちがやってきたサービスを踏まえ、テックサービスとして展開し始めるパターンが増えてきた」とコメントしている。」
2021年7月8日発表【最新】不動産テックカオスマップ第7版
【掲載要件】
・AI(人工知能)、IoT、ブロックチェーン、VR/AR、ロボットなど現時点において先進的なテクノロジーを活用しているビジネスまたはサービス
・一般的なITやビッグデータを活用することで、従来(インターネット普及以前)には無かった新しい価値や顧客体験をつくりだしているビジネスまたはサービス
・一般的なITやビッグデータを活用することで、従来(インターネット普及以前)には無かった新しいビジネスモデルや収益モデルを実現しているビジネスまたはサービス
・一般的なITやビッグデータを活用することで、既存の業界課題の解決や商習慣・慣例を打破しているビジネスまたはサービス
・一般的なITやビッグデータを活用することで、オンラインプラットフォームを実現しているビジネスまたはサービス
新型コロナウイルスが蔓延し、不動産業界にも大きな影響をもたらしました。
厳しい状況の中でも、94サービスが増加し、全446サービスが掲載されました。
大きく増加した領域として、不動産テックサービスの中でも伸び続けている「管理業務支援」、「仲介業務支援」です。
これまで不動産事業者が自分たちが培ってきたノウハウをテックサービスとして展開し始めるパターンが増えきています。
かつては、大手不動産会社のみ使っていた業務支援サービスだが、中小の不動産会社が業務支援サービスに前のめりになっている姿勢も大きく影響しています。
弊社においても、どのような取り組みが良いか、どのようなことができるのか相談を受けることが大幅に増えました。
このままでは取り残されてしまう、衰退してしまうという危機感が芽生えているのかもしれません。
一方で、業務支援サービスは増えているのに、あまり知られていないという問題があります。
名前を知らなければwebサイトで検索できません。
これからはテックサービスをどのように広めていくか、認知の拡大が課題となっています。
コロナの危機がプラスに働いたのがVR・AR領域です。
不動産テックカオスマップの第5版・第6版では共に20サービスと停滞していました。
しかし、新型コロナウイルスの影響により、人の流れの抑制、外出自粛、緊急事態宣言が重なり、不動産屋に行かなくてもお家でお部屋選びができるVR・ARに一気に注目が集まりました。
第6版20サービスから第7版では31サービスに急増化、オンライン型サービスも使いやすい環境になってきました。
もはや、オンラインでの部屋探しは当たり前の時代です。
これからは、いかに消費者ニーズを読み取り、サービスの質を上げ顧客満足度を向上していくかが課題となります。
急増しているVR・AR領域で注目しているのがNodalViewです。
NodalViewは不動産テックカオスマップ第7版で新たに追加されました。
NodalViewはVR撮影だけでなく、美しい物件写真撮影も可能にしているのです。
物件写真は自社HPの他にも、ポータルサイトなどで使用しますが、競合の他社の物件よりも多く検索する人々の目を引かなければ意味がありません。
それには代表物件を取れるだけの十分な情報掲載を行い、惹かれる写真を掲載する必要があります。
「写真なんてどれも同じ。」ではないのです。
×白飛び→◯窓の外まで鮮明に写る
×ブレている、傾いている→◯撮影時に傾き防止機能
×暗すぎるまたは明るすぎる→○最大11枚撮影後、AIが自動補正
×静止画のみ対応→◯静止画の他にも360°VR撮影可能
上の画像の様にバーチャルツアーのインフォメーションマークには、詳細情報や説明動画を入れ込むことができるため、お部屋を探しているお客様の疑問をすぐに解決できる仕組みになっています。
また、フォトステを使いお部屋の中にバーチャル家具や装飾を設置することが可能です。
お部屋のイメージが湧かない、住んだ後の家具の位置やインテリアの参考にもなります。
このように、他のVR・ARと差別化したサービスに注目です。
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不動産テック市場においてもシェアリングサービスが拡大しています。
内閣府の推計では2016年の市場規模は約5,000億円、うち6割が「モノ」のシェアです。
シェアリングサービスが伸びる理由は消費者の節約志向で語られることが多いようですが、経産省の調査結果では「捨てるのがもったいない」「物の有効活用」「掘り出し物がある」「お店に売っていないものがある」など経済面以外の理由もあります。
①消費がモノからサービス移行
若い世代ほどモノへの執着が薄れています。
かつては、いい車に乗る、いい時計を持つなどモノへの所有欲が多くありました。
現在はお金を出さずとも質の良いモノが買え、良い暮らしが送れる時代です。
「サブスクリプション」が浸透していることも時代のニーズと言えるでしょう。
常に所持しているのではなく、必要な時に利用したいという意識が高まっているのです。
②サスティナビリティ意識
レジ袋有料化や、人気企業が地球環境保護の動きを進めていることもあり、「サスティナビリティ」や「エシカル消費」などを身近に感じているのではないだろうか。
③情報通信技術の進化
シェアリングが進んだ理由の大きな要因として通信技術の進化があります。
インターネットやスマホが普及し、今まで見えにくかった情報がリアルタイムで共有できるようになりました。
SNSの普及により世間に認知されるスピードも早まり、ある程度の信用度も可視化されています。
④働き方の自由
オフィスのシェアサービスにおいても若い世代ほど非正規雇用者が増えていることも理由の一つです。
固定のオフィスを構えず、場所を変えて働く自由な働き方が広まってきているのではないだろうか。
第7版の不動産テックカオスマップの傾向としては他にも
・不動産事業者による不動産テックサービスが増加
・SDGs、ESG、BCPを意識したサービスの出現
が見受けられました。
既にある不動産テックサービスにおいては認知度が増し、機能性も理解されはじめています。
不動産会社では、不動産テックの導入が先行する企業と、導入が進まない企業で当面は〝二極化〟が続くと思われますが、既に新たなサービス領域が足を踏み入れていることも事実であり、今後その差がさらに広がるかもしれません。
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