賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
会社のデスクに積み上がった大量の紙資料はありませんか。
いつ雪崩のように崩れ落ちるかわからない紙資料の中で、必要なもの、不必要なものの把握はできているでしょうか。
すぐに必要となる資料を取り出すことができないことは、目に見えてわかります。
それらは明らかに業務効率を下げる原因となります。
最近では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、導入企業が一気に増加したテレワークですが、一方で、テレワークに必要なペーパーレス化に対応できていない企業も多いのではないでしょうか。
日常的にパソコンを使用している方はすんなりと受け入れられても、パソコン操作に自信のない方には、すぐには馴染めない可能性があります。
また、長年の仕事のやり方が変わることに抵抗を感じていたり、紙への絶対的な信頼性など、世代間ギャップも生じます。
今回は、そのような方にも分かりやすくペーパーレス化による業務のメリットやデメリット、またペーパーレス化に必要な準備をご紹介いたします。
ペーパーレス化とは、その名の通り、紙の利用を減らし、パソコンなどで電子化ファイルとして閲覧できるようにすることで、業務効率を改善しようとする取り組みのことを指します。
・紙類にかえてPDF文書やインターネットFAXを利用する
・電子書籍、電子カタログ、Web会議の活用
・日報や勤怠管理なども電子化・クラウド管理を行なう
これらを行うことでペーパーレス化を実現することが可能です。
しかし、ただ単にキャビネットや倉庫に紙として管理していた資料をデジタルデータに変換し、紙資料を削減することは取り組みとしては不完全です。
紙資料を削減することと同じくらい大切なのが、紙の必要性をそもそも無くすことです。
会社では日々様々な資料が作られていますが、それらの中には誰が目を通し、何のために活用されているのかも分からない資料が存在していませんか。
そうした資料の作成義務を無くすこともペーパーレス化の1つです。
また、システム化により作成から活用、管理まで一貫してデジタルデータとして扱うことで業務を効率化し、時間や手間の削減にも繋がります。
ペーパーレスを行う目的は多くあります。
「紙を減らすこと」で様々なメリットが出てきます。
ペーパーレス化を進めるとテレワークをはじめとする新しい業務形態にも対応しやすくなるため、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からも、経営者の方には無視できない課題となっているともいえるでしょう。
また大量の紙資料を管理保管する場所や時間の削減にも繋がります。
紙の使用量が多いため、資源を大量に使うことにより森林伐採などで自然を破壊しているのも事実です。
紙の原料となる森林が伐採されるスピードと、森林が再生するスピードは比例していないことから、数年前から森林保護が叫ばれています。
二酸化炭素を酸素に変えてくれる森林が現象していくと、地球全体の二酸化炭素の量が増えることとなり、地球温暖化への影響が懸念されています。
森林伐採は生態系にも影響を与え、疫病を蔓延させる恐れがあるとも言われています。
・文書の検索が簡単になる
紙媒体で保管している場合は、しっかりと整理・分類して保管されていれば書類を探しやすいですが、検索することはできません。
一方で、ペーパーレス化によって書類がデータ化されていれば、保存されているすべての文章に検索をかけることができます。
膨大なデータの中から、瞬時に探している書類にアクセスできるのです。
探し出したいキーワードも瞬時に見つけることができ、ファイル名検索やファイル内の文字列検索も可能です。
ツールを使って文書にコメントをつけておけば、その文字列で検索することもできます。
保管場所を探すことなく、画面上で検索するだけで目的の文書を探し出せるのはペパーレスの大きなメリットです。
さらに、取引先や出張先からでもすぐに情報を得ることができます。
一度データ化されてしまえば、利用状況などを統計的に分析することも可能です。
・印刷代などのコスト削減につながる
ペーパーレス化の大きなメリットのひとつに、紙代や印刷代のコスト削減が挙げられます。
用紙代、印刷代、コピー代、印刷機器のメンテナンス費用、資料の郵送・運搬費、廃棄費用など、紙に関連した費用はほぼ削減することができます。
テレワークという新しい形態が進むなかで、紙の印刷を不要とした環境の整備が求められています。
・保管場所が必要なくなる
紙媒体の管理は保管スペースが必要になり、キャビネットやラック、文書保存箱などの備品も用意しなければなりません。
ですので、紙の書類がなくなれば必然的に書類を保管するファイルや棚もいらなくなりコスト削減につながります。
また、保管スペースや倉庫を有効活用することができます。
経理部門の場合、領収証の保管期間は7年です。
7年分の領収書の保管スペースを確保する必要がなくなります。
・情報のバックアップができる
ペーパーレス化を進めることによって、バックアップ体制を強化できます。
紙媒体で保存すると、物理的な紛失、盗難、火災による焼失など、一度失ってしまうと復元することは不可能です
一方、ペーパーレス化によってデータ化された書類をクラウド上に保存しておけば、パソコンや自社サーバーが故障したり、盗難にあったりしても復元することができます。
さらに、ペーパーレス化を進めることで、書類のセキュリティ管理もしっかり行えるようになります。
書類の紛失や改ざん、盗難、劣化などのリスクも強化できるのです。
ペーパーレス化によってデータ化された書類をクラウド上に保存しておけば、アクセス制限などの管理もできるようになり、システムにトラブルが発生した場合でも、データの復元が可能です。
また、重要書類・機密書類に関しては、ネットワークから切り離したストレージに保存することもできます。
・環境への配慮ができる
企業として利益の追求だけでなく、環境問題にも目を向けなければなりません。
紙を消費することは、それだけ森林を伐採しているということです。
現在もなお、東京都と同じくらいの大きさの森が、今も1週間ごとに失われ続けています。
環境破壊、それに伴う地球温暖化などの問題が山積するなかで、地球環境の保護にもペーパーレス化は有効です。
「ペーパーレス化」を推進することは、企業が環境に配慮しているという姿勢を示すものにつながります。
・導入にコストがかかる
ペーパーレス化をするには、紙の代替になる端末やシステムを導入する必要があります。
PCやタブレット端末、クラウドサービス、Web会議システム、セキュリティシステムなどを導入する必要があります。
また、セキュリティ対策のためのソフトウェア導入や、場合によってはネット環境の見直しなども必要になる場合があります。
横文字続きで見慣れていなければ難しく、抵抗してしまう場合は、設定などを専門の業者に任せると良いでしょう。
導入にはある程度のコストがかかりますが、十分な費用対効果が得られる場合がほとんどです。
・セキュリティの担保が必要
クラウドサービスに預けるデータがどのように保護されているのかは前もって調べる必要があります。
障害発生時等のデータ保護がしっかりしているか、バックアップ体制はしっかりと行っているか、クラウドサービスがどのような対策を講じているかをよく検討しましょう。
不十分な場合は、異なる方法でバックアップ体制を強化する必要があります。
外部へ持ち出し禁止の重要情報などは、適切な方法で管理をしていないと、インターネット上での漏洩にもつながるため、十分なセキュリティ対策を講じなければなりません。
担当者ごとにアクセス制限や閲覧制限を設け、徹底した管理を行いましょう。
さらにセキュリティを高めるため、多要素認証を導入しているサービスを選択すると、万が一パスワードが漏洩してしまった場合にも侵入を防ぐことが可能です。
・システム障害などの影響を受けやすい
クラウド上に文書を保管している場合、ネット環境やクラウドサーバーに障害が発生した場合には、文書にアクセスできないなどの影響が考えられます。
また、PC機器が故障してしまったなど、物理的に文書閲覧不可な状態になるケースも想定されます。
バックアップをしっかりと取ることが大切であり、システム障害の際の対応方法も検討する必要あります。
ハードウェアとして代表的なものはタブレット端末です。
iPadをはじめ、多くのデバイスが発売されています。
また、1人1台のタブレット端末の導入を進めている企業が増えています。
タブレット端末は、どこにでも持ち運べ、スマートフォンと同じように扱える点がメリットです。
SIMカードを取り付けることで、Wi-Fi環境が用意されていない場所でもデータのやりとりを行えます。
書類を手元で保管するのではなく、クラウドサービスを利用しサーバー上に移すことが必要となります。
クラウド上にデータを保存することで一元的にデータを管理し、インターネット環境があればいつでもどこからでもデータにアクセスできます。
しかし、容量や、アカウントがどれだけ必要かによって利用料も変わってきます。
ですので、事前に社内での利用状況を想定しておく必要があります。
また、必要な機能やセキュリティ面も事前によく確認しておくと良いでしょう。
クラウド上にデータを保存することで、紛失などによる重要な書類を失ってしまうリスクを避けることができますね。
働き方改革や新型コロナウイルスの影響により、テレワークが推進されていることもあり、Web会議に注目が集まっています。
また、同じ社内いながら、密集を避けて会議ができるため、パソコンやタブレットで会議資料を共有・閲覧できるペーパーレス会議システムを導入する企業も増えています。
勤務形態が多様化するにつれ、特定の場所にとらわれずに会議ができることは必要不可欠になってきます。
数ページにもわたる分厚い資料を用意する必要がないため業務効率化も可能となります。
・Zoom(ズーム)
・Microsoft Teams(チームズ)
・Skype Meet Now(スカイプミートナウ)
・Google ハングアウト
など、他にも様々なWeb会議システムがあります。
用途に合わせ選ぶようにしましょう。
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ペーパーレス化に取り組もうとして、過去に失敗した企業もあります。
全てにおいて電子化するのではなく、電子化するものとしないものを切りわけるなど、推進体制をきちんと整備して、ペーパーレス化の目的を明確にすることも重要です。
ペーパーレス化を推進する目的、ペーパーレス化を推進することによるメリット、ペーパーレス化にかかるコストなどをしっかり提示したうえで説明を行って、経営層には必要性や重要性を認識してもらう必要があります。
従業員には、ペーパーレス化の目的やメリットを、丁寧に分かりやすく周知することが重要です。
実際に使用する従業員の疑問を解決し、問題が起きた場合も丁寧に対応しましょう。
一度にすべてのシステムを変えると、業務に支障を生じるかもしれません。
例えば、出退勤を記録するタイムカードや会議資料、申請書類、などをペーパーレス化することから始めてみましょう。
スムーズに行うことができれば、次に特定の部署やプロジェクトのみでペーパーレス化を実施してみましょう。
スマートフォンやタブレットなどは、普段から使い慣れている人が多いため抵抗なく使用できる人が多いでしょう。
また、スマートフォンやタブレットは文字を拡大することもできるので、紙のように、アンダーラインを引いたりメモを書き込んだりできます。
一部の部署で、ペーパーレス化を実施してみて、そこで起きたメリットや問題点を拾い上げて、社内に周知していく必要があります。
ペーパーレス化で業務改革行うことは、業務の見直し作業となります。
ですので、腰が重く、なかなか進まない会社が多いのも事実です。
「今まで通りのやり方でも困ることはない」かもしれません。
しかし、コスト削減や、業務を効率化して企業としての競争力を強化したいのであれば、「ペーパーレス化」強力な手段と言えるでしょう。
例えば、出退勤を記録するタイムカードや会議資料、申請書類のペーパーレス化を長期的に取り組んでみてはいかがでしょうか。