賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
賃貸物件において人気設備がついているかいないかで反響率は大きく変わります。
不動産会社のホームページやポータルサイトで物件を検索する時、多くの人が設備の有無で条件を絞ります。
そのため、人気の設備を把握し、物件に取り付けていないとそれだけで検索対象外となってしまいます。
今回は賃貸物件におすすめの人気が高い設備について、2020年10月20日発行の全国賃貸住宅新聞を参考に解説していきます。
賃貸物件における人気の設備について、2019年10月21日発行の全国賃貸住宅新聞を参考に解説していきます。
このランキングに載っている設備はこれがなければ入居者が集まらないというものではありません。
しかし、この設備を導入することで物件の押し・強みとなり他の物件よりも魅力的に見えるので、結果家賃を上げても入居者を集めることができるというものですので、今後のオーナー提案の参考になるかと思います。
2020年の賃貸物件における「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」設備ランキングは以下の通りです。
ここからはそれぞれの設備について細かくみていきます。
「IoT機器」とは、インターネットでつながっており遠隔で操作できる家電等機器のことです。
スマート家電とも言われます。
スマートフォンで鍵の開け閉めができる「スマートロック」やIoT家電を操作できる「AIスピーカー」などが設置されている物件も最近は増えてきています。
しかし、IoT機器自体はまだそれほど普及しておらず、いきなりこれらに順応するのも簡単ではないので、現在人気はそれほど高くありません。
利便性は高いものの、生活に必ずしも必要というわけではないので、順位としてはまだ高くはありませんが、今後IoT化が進むにつれ確実に必須となってくるので関心は持っておいたほうが良いでしょう。
「ウォークインクローゼット」はその名の通り歩いて入れる便利な収納スペースです。
主に衣類の収納に用いられ、服を多く持っている人にとってはかなり便利で、主に女性に人気があります。
ファミリー向けでは順位を上げていますが、単身者向けでは順位を大きく落としています。
理由として、あると便利ではありますが他の設備と比べて優先順位は低く、2020年に始まったコロナの影響で家賃の低い物件にニーズが集まる現在、比較的妥協のしやすい設備であるからと思われます。
車を雨風から守る「ガレージ」は、単身者・ファミリー向けの両方で順位を落としています。
これについてもコロナによる影響で外出を控える人が増え、車を持つ人が減少しており、車需要の減少に伴ってガレージの必要性も薄れてきているものと思われます。
しかし、車は現代では一部の都会を除けば必需品と言えるので、コロナが落ち着くと再び需要が高まる可能性もあります。
「宅配ボックス」の人気はかなり高く、ファミリー向けでは「インターネット無料」の次になるほど需要が高まっています。
これは共働き世帯が増えていることやAmazonに代表されるネット通販の普及によるもので、特にネット通販はコロナの影響で利用が拡大しているので、今後は必須レベルの設備となることが予想されます。
「TVモニター付きインターホン」は導入費が高いオートロック機能の代替品として人気が高いです。
防犯性が物件選びの重要な要素となりつつある現代で、「防犯性も重要だけど、できるだけ家賃を低く抑えたい」というニーズにマッチしたちょうど良い防犯設備として需要があります。
単身者向けで順位を上げているのが「システムキッチン」です。
システムキッチンはシンク、コンロ、収納、作業台が一枚の天板で一体化されたキッチンを指します。
コロナにより食事を家でとることが多くなったことで単身者向けでは順位が上昇し、逆にファミリーにとっては家で食事することが基本なため順位の変動はありませんでした。
ここにきて初めてランキング入りした設備が「遮音性の高い窓」です。
リモートワークに合わせて自宅でオンライン会議やオンライン飲み会をすることが増え、外に音を漏らさない設備の需要が高まってきたと思われます。
「周りを気にせず音楽を聞きたい」「人を呼んでパーティをしたい」として防音性を求める若者も増えてきているので今後順位を上げていく可能性があります。
ここからは先ほどのような「あるといい」ではなく「なければいけない」必須の設備を紹介します。
全国賃貸住宅新聞社発表の2020年の賃貸物件における「この設備がなければ決まらない」設備ランキングは以下の通りです。
これに関しても注目される設備について詳しくみていきましょう。
「浴室換気乾燥機」は浴室の天井や壁に取り付けられ浴室内の換気や暖房、洗濯物の乾燥を行う設備です。
湿気を取り除くのでカビの発生を抑えるだけでなく、寒い時期における入浴前の事前暖房や夏季ののぼせ防止にも使えます。
降水量の多い地域ではすでに当たり前の設備となっており、単身者・ファミリーともに人気が高まってはいるものの、他物件との差別化としては効果が弱くなってきています。
2020年現在、浴室換気乾燥機の人気上昇に伴って競合性の高い設備である「室内洗濯物干し」は順位を落としています。
しかし、部屋干し用の洗剤も増えてきており、洗濯物を干すことしかほぼ用途のないバルコニーより室内選択物干しを選ぶ人は増えてきています。
オーナーは室内洗濯物干しもしくは浴室換気乾燥機のどちらかは導入しておくことが必須となりそうです。
こちらのランキングにおいてウォークインクローゼットは単身者向けで順位を落とし、逆にファミリー向けで大きく順位を上げています。
これは単身者には少々広すぎるため必須性は弱い一方、子どもを持つ家庭にとっては今後モノが増える可能性があることから必須レベルの設備になっていると思われます。
「備え付け照明」と「ガスコンロ」は順位を安定させている設備になります。
特に単身者にとっては初期費用をできるだけ抑えたいという希望があるので、備え付けの設備は物件選びの条件として重要視されます。
ガスコンロに関しては、多くの単身入居者が調理設備を自前で購入しない現状からも必須設備とされていますが、システムキッチンが普及すると需要は一気に減ることが予想されます。
2020年におけるランキングを見ると、この設備がないと決まらない必須のものに関してはそれほどコロナの影響はありませんが、プラスでついていると良い設備はかなりの順位変動がありました。
宅配ボックスや遮音性の高い窓などコロナによって変化した生活にマッチした設備が軒並み人気を上げました。
潜在的なニーズは生活の基盤であるため変わっていませんが、短期的な今これがあると嬉しいというニーズはやはり社会情勢に大きく左右されるようです。
「これがなければ決まらない」設備は導入をかなり前向きに検討すべきですが、「これがあれば周辺相場より家賃が高くても決まる」設備に関しては社会情勢と今後のニーズを予想した上で判断していくことが望ましいでしょう。
そして、全体的なランキングを見ると利便性もさることながら防犯性についても設備に求める要素として確立されてきています。
ホームセキュリティまでは難しくともTVモニターインターホンやできればオートロックなども導入すると特に女性の単身者にとっては安心して住める物件になります。
生活の中でどのくらいの頻度で使用されるか、どのくらい生活に関わってくるかが設備導入を考える上でのポイントです。
ランキングの高い人気設備を導入すれば入居率アップ、家賃アップに効果があるとしても、当たり前ですがオーナーに承諾を得なければ導入することはできません。
オーナーとしてもその設備が人気なことがわかっていても本当に効果があるのか、費用はどれくらいで回収できるのか、この辺りがわからなければ簡単には承諾できないでしょう。
設備導入の費用対効果や現在の物件におけるニーズ、周辺の物件の設備状況を分析し、提案する必要があります。
特に2020年以降はコロナによって先が読めない状態なので慎重に判断しましょう。
オーナー提案をスムーズに行うコツはこちらの記事にまとめているのでぜひご覧ください。
https://retech-network.com/posts/detail/321
コロナの影響が反映されている2020年の人気設備ランキングは昨年と比べるとかなり変動が激しかったですね。
人気の設備を把握することは物件の入居率を高める上で重要です。
「これがあれば周辺相場より家賃が高くても決まる」設備と「これがなければ決まらない」設備のランキング双方を比較して今後の設備導入を検討していきましょう。
全国賃貸住宅新聞「2020年人気設備ランキング発表」
https://www.zenchin.com/news/post-5540.php
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