賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
アフターコロナの不動産業界、特に賃貸に関してのトレンドがどのように変わっていくかについて賃貸フェスの3社と全国賃貸住宅新聞が議論を深めるセミナーが開催されました。
今回はその内容を前編後編に分けてご紹介します。
賃貸フェスとは当社クラスコとオーナーズエージェント様、日本エイジェント様との合同で不動産に関係した面白いセミナー・イベントを開催すべく発足したプロジェクトです。
賃貸フェス開催のコラボイベントを初めて行ったのが2014年でそこから今まで続いているという形です。
コンセプトは「チンタイをインタイ」ということで不動産の業界や枠組みを超えて変化をしていこうという想いが込められています。
そのため業界の内外問わずテーマを持ってきて、それについてディスカッションしたりセミナーを開いたりする中身となっています。
また、年に一回不動産業界の取り組みで日本一を決めようというイベントも企画しております。
業界等既存の枠から飛び出ることをイメージした自由な内容となっています。
賃貸フェスの三社はそれぞれ石川県金沢市、東京都新宿区、愛媛県松山市と違う拠点で賃貸業を行っています。
2月から始まったこのコロナの影響に対してどのように対処してきたのか、そして今後どうなっていくのかというところはどの会社にとっても興味関心の高いものだと思います。
そこでコロナ対策の取り組みと今後の展望についてそれぞれ拠点の違う三社が主体となってディスカッションしていき、そこにメディアの観点から賃貸住宅新聞の方にも意見をもらいつつ議論を深めていくことを目的として行うものとなっています。
コロナ禍で影響があったかどうかについてそれぞれの会社に聞きました。
日本エイジェント(愛媛)
4〜5月はお問い合わせは多かったが成約に結びつかないことがとても多く、影響は大きかったと思います。
しかし、その分5〜6月は来店数が多く、繁忙期のような状態になりました。
クラスコ(石川)
金沢の方でも同じです。
5月に緊急事態宣言が出てから10%程集客が減り、その後6月になってから急激に来店が増えました。
オーナーズエージェント(東京)
こちらは6月に入ってから悪くなってきました。
3、4月は解約が抑止されていたのですが、6月になってから解約が急激に増え、契約の額も対昨年度比17%ダウンしました。
新規の契約者も17%ダウンで稼働率に大きな影響が出ているのが現状です。
地方よりも東京の方が影響は大きいのではと思います。
本来は外国人のお客様も多いのですが入居に来ない状況です。
全国賃貸住宅新聞
全国的に仲介の売り上げの割合が大きい会社は影響が大きかったという話です。
管理メインの会社はそこまで影響がなかったと聞いています。
実際に非対面での賃貸に取り組んでいるかどうかについても聞きました。
日本エイジェント
一部の店舗が百貨店の中に入っているので、百貨店の休業に伴ってその店舗も休業にせざるをえなくなりました。
それを機に「サテライトリーシングチーム」というものを立ち上げることになりました。
普段はWebで問い合わせを受けて来店誘導する形でしたが、来店誘導できないので、そのままWebで接客してしまいセルフ内見等をしてもらおうというチームです。
ここで感じたことが、新しい考え方を持っていないとなかなか進まない、成功事例を持っていればいるほど前に進まないということでした。
そのため、入社1〜3年目の若手社員を抜擢してチーム作りをしました。
また、対面接客禁止、制服禁止などのルールを設けましたがうまくいかず、結局頼ったのがツールでした。
コミュニケーションは対面からLINE、接客は対面からオンラインに、追客もスタッフ任せから自動追客というように工夫していきました。
特にセルフ内見では、物件にいるお客様と店舗のスタッフをスマホ・PCでつないで説明を行うことで従来の内見と同じか少し高いくらいの成約率を出すことができています。
このチームを作ることで数をこなすことができるようになったので、一人当たりの生産性が1.8倍にまで上がったことがわかりやすい効果だと思います。
クラスコ
新型コロナの影響で来店キャンセルが相次ぎました。
そこで非対面接客をお客様にアピールしたところ、来店キャンセルをした方の75%の引き戻すことに成功、そのうちの100%が成約に至りました。
また、Webでの来店予約状況を見ると来店接客を希望する方が45%、セルフ内見を希望する方が39%、非対面接客を希望する方が16%という結果になっています。
非対面接客をしての課題として今まで他社のカメラで撮っていたバーチャルツアーではハレーションが酷く、お客様に魅力が伝わらないという問題がありました。
新しいサービス「Nodal view」を導入したことでハレーションが起こらず、またAIが明るさの違う写真を合成してくれるので圧倒的な高画質が実現できるようになりました。
また、当社はお客様に向けて「非対面賃貸」と銘打ってコロナ対策に取り組んでいることをアピールしています。
非対面でありながらも生産性をアップしていく、そしてこれをサービス化していくことが重要ということです。
もう一つ、サブスクモデルへの切り替えが重要だと考えています。
サブスクモデルは従来の営業販売モデルと違い、継続的な顧客満足を目的としたものとなります。
当社は今サブスクに力を入れており、例えばリノベーションのサブスクであれば2.5ヶ月間で500室の受注に成功しています。
コロナ禍で売上が下がる中でいかに安定して利益を得ていくかということが重要であると思っています。
非対面での賃貸はコロナ対策に有効というだけでなく、生産性アップとしても効果的だというお話でした。
コロナ+時代の変化というところで、お客様のニーズとしても非対面賃貸はサービスとして今後も必要とされることが予想されます。
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