賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
不動産業界には「呼び物」物件という現象が存在します。
一見魅力的に見えるこれらの物件は、実際にはさまざまな問題をはらんでいることがあります。
この記事では、業界でよく見られる「呼び物」物件の見極め方から、顧客を引きつけ、信頼を築くための優れた物件広告の作成法までを解説します。
「呼び物」と「おとり物件」は不動産業界で使用される用語ですが、その意味は若干異なります。
「呼び物」は一般的に、多くのお客様の関心を引き付けるために用いられる特定の物件のことを指します。
これは物件の特殊な特徴、低価格、優れた立地条件など、その物件を他の物件よりも魅力的に見せる要素が含まれることが多いです。
しかし、実際には存在しない物件、または、存在はしているが契約を進めることができない物件です。
呼び物の取り扱い次第では、行政処分が下る禁止行為ですので、充分に注意しましょう。
一方、「おとり物件」とは、実際には売り出されていない、または既に売り切れた物件を魅力的な条件で広告する行為を指します。
おとり物件の目的は、お客様を引き付けて不動産エージェントと接触させることで、その後他の物件を紹介する機会を得ることです。
この手法は、宅地建物取引業法に違反し、また、不動産公正取引協議会の不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)で禁止されています。
▼おとり物件(おとり広告)についてはこちらをご覧ください
「呼び物」と呼ばれる物件の特徴について解説します。
自社でも以下のような物件を掲載していないか確認してください。
賃料がその地域や建物の標準から大きく外れて安い場合、その物件は「呼び物」である可能性が高いです。
しかしながら、そのような物件は、何か問題がある(例えば事故物件など)可能性もあるため、十分な調査と確認が必要です。
非常に良い条件を備え、しかも長期間にわたって掲載され続けている物件も、「呼び物」である可能性があります。
特に、内見が許可されていない場合、その物件は注意が必要です。
ある物件が一つの不動産サイトにのみ掲載されている場合、それは他の会社ですでに取り扱いが進行している可能性があります。
オーナーや管理会社は、複数のサイトに物件情報を掲載しているため、不手際で取り消されていない場合もあります。
このような状況に遭遇した場合、他の不動産会社にも問い合わせて確認しましょう。
例えば、アパートやマンションの名前、具体的な住所など物件の詳細情報が掲載されていない場合、それは「呼び物」である可能性が高いです。
これらの情報が不足している物件は、顧客では特定できないようになっており、特に注意が必要です。
物件について問い合わせを行った際に、すぐに内見不可を通知される場合、その物件は「呼び物」である可能性があります。
また、店舗を訪れないと内見が可能かどうかを判断できないという返答も同様です。
「呼び物」のような行為は、その物件の情報が誤っている、または誤解を招く可能性がある場合、違法行為にあたります。
特に、物件がすでに契約されていたり、存在しない場合など、情報が明らかに誤っている場合は、違法行為となり得ます。
物件掲載の際には、宅地建物取引業法や公正競争規約、景品表示法などについてきちんと理解しておくことが重要です。
不動産広告は、誤った情報の掲載は禁止されています。
では、良質な広告を作成するにはどのようにすれば良いのでしょうか。
明確なターゲット層の定義
まず、どのような顧客層をターゲットにしているのか明確にすることが重要です。
これは物件の立地、大きさ、設備など、物件の特性から推測することができます。
例えば、学生向けのアパートならば交通の便や周辺の施設、価格設定などを強調することで、ターゲットに合わせた広告を作成することが可能です。
物件の特徴の強調
物件の最も引き立つ特徴や魅力を強調しましょう。
豊富な自然光、広々としたリビングスペース、便利な立地など、顧客が物件を選択する際に注目する要素を強調することが大切です。
ただし、極端な表現や誇大広告は禁止されていますので、注意しましょう。
高品質の写真とビジュアル
高品質な写真とビジュアルは広告に非常に大きな影響を与えます。
物件の魅力を最大限に引き立てるためには、プロの不動産写真家に依頼することを検討してみてください。
サイト掲載には、スマホで誰でも簡単にプロのような写真が撮れるノダルビューもおすすめです。
説明文の作成
物件の説明文は明確で詳細である必要があります。
物件の特徴、周辺環境、アクセスなどの情報を具体的に書くことで、見込み客が物件を理解しやすくなります。
文字数の制限はありませんが、原則として7ポイント以上の文字サイズで表示する必要があります。
真実性と透明性の確保
顧客を誤解に導く情報は避け、事実に基づいた情報を提供しましょう。
透明性と信頼性は、長期的なビジネス成功にとって重要な要素です。
存在しない物件や取引の対象となり得ない物件、取引する意思がない物件を掲載することの禁止はもちろん、「徒歩〇分」という表示も道路の状況や信号待ちなどの時間も考慮して、正確な時間を表示するように心がけましょう。
レビューと証言の活用
前の入居者や賃借人からのポジティブなレビューや証言を広告に掲載することで、物件の信頼性を強化することができます。
これらの要素を総合的に考慮しながら、良質な不動産広告を作成することができます。
▼こちらも合わせてご覧ください
「呼び物」物件の特徴と、それを避けつつどのように効果的な物件広告を作成するかについて解説しました。
広告は不動産業者のブランドや信頼性を表現する重要な手段です。
だからこそ、顧客の信頼を失わないためにも「呼び物」物件の掲載を避けることが大切です。
物件の真実を正確に伝え、魅力を最大限に引き出す広告の作成に努めてください。
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