賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
またそのような現状で、業務の負担が今いる社員に回れば、今いる社員も疲弊してしまい、業務効率も落ち、会社の業績につながりにくくなってしまいます。
そこで、人手不足に悩む賃貸管理会社が、アウトソーシング(アウトソース・外部委託)を検討する事があるでしょう。
ただし
・アウトソースに頼れば経費がかかる
・どの業務をアウトソースしたらいいのか
・アウトソースするにはどの会社や商品を選べばいいのか
に迷われる事でしょう。
今回の記事では、
・なぜ賃貸管理会社にアウトソースが必要なのか
・どの業務をアウトソースすべきか
という事を解説させていただきます。
不動産業界では、人手不足が深刻な問題となっています。
特に、不動産賃貸管理業界では、賃貸物件の入居者募集やトラブル対応など、多岐にわたる業務を担当するために、資格や経験を持った人材が不足しているという実態があります。
不動産会社の業務は過酷だという印象が強く、新規採用を獲得することに奮闘する企業も少なくはありません。
人手や人材が不足しているのに、業務が多岐に渡る不動産賃貸管理業では、業務内容によってはアウトソースを活用する必要があると考えられます。
・賃貸住宅管理業法の施行
「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案(賃貸住宅管理業法)」が、令和2年6月12日に可決成立しました(告示公布 :完全施行は令和2年6月15日)。
この法律では、新たに、
・サブリース業者と賃貸住宅所有者との間の賃貸借契約の適正化のための規制措置を講ずる。
・賃貸住宅管理業を営む者に係る登録制度を設けることで、「管理業務の適正な運営」と「借主と貸主の利益保護」を図る(200戸以上の住戸を管理する賃貸住宅管理業者には「登録」が義務付けられました)。
・不動産オーナーへの重要事項説明や書面交付の義務についても明記されているが、オーナーが承諾すれば「電子データ」でも対応できる。
とされています。
▼参考となる公式のサイト
この新たな法律が施行されてからは、法律への対応に追われ、賃貸管理にまつわる業務が著しく増えました。
特に、業法への対応のため、そのため、会社の社員を増やさないと、業務が追いつかないという会社も出てきました。
・賃貸住宅管理業法の体制を整える
前述のように、不動産賃貸管理業界において、賃貸管理業法の遵守や管理体制の整備が求められています。
特に、賃貸住宅管理業法の中でお、定期報告にはかなりの手間や労力が必要となります。
そして、賃貸住宅管理業法への整備や対応のために人を増やせば、人件費がかかります。
賃貸住宅管理業法への対応そのものが収入源アップにつながるものではないため、人件費分が嵩張ってしまう問題が発生してしまいます。
このような状況で、賃貸管理会社は、業務の一部をアウトソースする必要が出てきました。
一部の業務をアウトソースする事によって、より適切な管理体制を構築することが必要とされています。
また、この管理体制を構築させるためには
・DX化
・アウトソース
の2本柱での対応が必要となります。
そして、この体制の構築のために、
・司令塔である担当者にあたるのは誰に任せるべきか
・現在行なっている業務を明確にするため棚卸しをする
などの事が重要な検討事項になります。
賃貸管理業務をアウトソースをすることのメリットは以下の通りです。
アウトソースによって、不動産賃貸管理会社は、人材コストを削減することができます。
アウトソース先に業務を任せることで、従業員の給与や福利厚生費、教育費などを削減することができます。
不動産賃貸管理会社は、アウトソースによって、非コア業務をアウトソースすることができます。
アウトソース先に業務を任せることで、従業員が本来の専門業務に集中することができ、業務効率化が図られます。
アウトソースによって、不動産賃貸管理会社は、外部の専門家による高品質なサービスを自社が受ける事や、顧客に提供する事ができます。
アウトソース先には、賃貸物件の入居者募集やトラブル対応などの業務において、豊富な知識や経験を持った専門家が在籍しています。
そのため、より高品質なサービスを提供することができます。
業務をアウトソースすることで、管理会社は自社スタッフに負荷をかけることなく、より効率的かつ迅速な業務遂行を実現できます。
その結果、社員のストレスや負荷が軽減され、職場環境が改善されることが期待されます。
改善された職場環境は、社員のモチベーションを高め、離職率の低下につながることが期待できます。
また、専門的な知識や技術を持った業者に業務を任せることで、業務の品質が向上し社員のモチベーションが上がり、離職率が低下につながる事が期待されます。
賃貸管理業界はまだまだアナログな業務体制を続けている会社が多いと言われています。
IT化やDX化を進めるだけでも、大きな業務効率化になるでしょう。
しかし、IT化やDX化ができても、そもそもデータの入力業務などにも人の手が必要であり、その部分をアウトソースするというのも1つの方法です。
また、賃貸管理業務には、人が直接対応すべき業務や、時間がとてもかかってしまう作業も多くあります。
その業務を社員のマンパワーに頼っていたのでは、人材不足に直面し、本来の営業の業務に回れなくなってしまったり、新規事業の立ち上げに対応する余裕がなくなってしまいます。
そこで、人の手が必要な業務をアウトソースする事も重要です。
それでは一体、業務のうち、どの部分をアウトソースできると良いのでしょう。
以下で具体的に、アウトソースができる業務をご紹介していきます。
24時間入居者対応とは、不動産管理会社が入居者からの問い合わせやトラブルに24時間対応することを指します。
この業務を、専門会社にアウトソースすることで、管理会社自身が、営業時間外や、社員の勤務時間以外の問い合わせ対応やトラブル解決に時間を割くことなくなります。
もちろん、勤務時間中の急な対応に時間を費やすことも必要なくなります。
また、顧客に対しても、スムーズかつ迅速な対応ができるようになります。
不動産管理会社は、物件の賃貸人であるオーナーの代わりに、入居希望者への空室の内見を行い、希望する入居者を募集しています。
その内見業務には大変時間がかかり、お客様の都合に合わせて予約時間が決まるため、また物件までの移動時間もかかるため、相当な時間を費やします。
アウトソースすることで、管理会社は内見業務を担当するスタッフを雇用する必要がなく、時間とコストを削減できます。
ただし、内見は、入居希望者である顧客がその部屋に「決める」ために、顧客とコミュニケーションを取ったり、希望の詳細を聞くためにも、大変重要な業務になります。
内見業務をアウトソーシングする場合は、信頼のある会社やスタッフに任せられたら良いでしょう。
空室の簡易清掃や設備確認などの定期巡回業務には、とても時間や人手を費やします。
この業務をアウトソースすることで、管理会社は人件費や時間を削減できます。
不動産の賃貸物件の、写真や動画を撮影する業務を指します。
写真や動画を撮影する業務には、打ち合わせ時間や移動時間、編集作業など様々な労力や時間が必要となります。
アウトソースすることで、管理会社は撮影機材を購入する必要もなく、専門知識や技術を持った業者による撮影が可能となります。
リーシング業務とは、商業用不動産の賃貸を支援する業務のことを言います。
賃貸借取引の仲介だけでなく、店舗・事務所の立地動向調査(マーケティング)、テナントの構成や賃貸条件の設計・調整など、賃貸収益性を確保するためのサービス業務を含む仕事でもあります。
この業務には、時間や人手がかかり、また専門的な知識や感覚も必要となってきます。
そこで、リーシング業務は外部の専門家にアウトソースできると良いでしょう。
不動産業務の上でも幅が広がります。
契約書の作成や更新手続きをアウトソースすることで、管理会社は法律的な知識や経験を持った、専門的な業者に契約書の作成や更新手続きを任せることができます。
特に、不動産の契約書の中には、不動産における国家資格を持っていないと、作成や処理ができないものがあります。
社員だけで、この業務を賄おうとすると、資格を持つ人の業務が増えてしまい、本来の営業などの業務に携わる時間が取れなくなってしまいます。
また、資格を持つ人材を社員として賄おうとすると、給料が高くなるため、人件費がかかります。
この業務をアウトソースできる事で、社員の負担が減り、営業や新規事業立ち上げの時間が確保できるようになります。
入居者に対して、契約の際に必要な「重要事項説明」する業務をアウトソースすることができると、資格を持った社員の採用を減らすことができます。
不動産契約の「重要事項説明」は、国家資格である宅建士の資格を持った人しか行えません。
繁忙期などは、そもそも資格のある職員は多忙になります。
そこで、重要事項説明を行うことができる宅建士を持つ人にアウトソースをすることができます。
このことはIT重説の場合も同様です。
ただし、重要事項説明をアウトソースできるか、という事に関しては、法律的な問題があるので、以下の記事を参考にしてください。
不動産管理会社は、入居者やオーナーとの契約書やレポートなどの書類を作成する際に、大量のデータ入力が必要です。
アウトソースすることで、管理会社は自社スタッフにかかる負荷を軽減できます。
また、データ入力を専門的に行う業者が担当することで、正確かつ迅速な業務遂行が可能となります。
定期点検や修繕は、物件の維持管理に必要な重要な業務です。
しかし、管理会社が自社スタッフで全てを担当することは大変な負荷となります。
アウトソースすることで、管理会社は定期点検や修繕に必要な専門知識や技術を持った業者に業務を任せることができます。
その結果、物件の状態を常に最適な状態に維持することができます。
不動産管理会社が物件の改修工事を手配する場合、複数の業者から見積もりを取り、比較検討する必要があります。
また、工事が進行中にも、進捗状況の管理や業者との調整が必要となります。
これらの業務は、管理会社のスタッフにとっては非常に負荷が高いです。
アウトソースすることで、管理会社は専門的な知識や経験を持った業者に工事の手配や進捗管理を任せることができます。
その結果、改修工事の進捗管理や品質管理が確実に行われ、入居者の満足度向上につながることが期待できます。
アウトソースする際には、費用対効果を十分に考慮する必要があります。
アウトソース先に支払う費用と、従業員を雇用する場合の費用を比較し、費用対効果を検討することが重要です。
アウトソース先を選ぶ際には、信頼性や実績を確認することが重要です。
業界での評判や、過去の実績などを調べ、信頼できるアウトソース先を選ぶようにしましょう。
アウトソースによって業務を委託する場合でも、自社においても適切な管理や監督が必要です。
委託した会社に全てを任せっぱなしでは、トラブルの元になってしまいます。
アウトソース先との連携や業務の進捗状況の把握、クオリティチェックなどを適切に行い、業務の品質を保つことが重要です。
不動産賃貸管理会社がアウトソースを行う理由や、アウトソースのメリット、アウトソースする業務、そしてアウトソースを行う際の注意点について解説しました。
アウトソースによって、人材コストの削減や業務効率化、高品質なサービス提供などのメリットがある一方、適切なアウトソース先の選定や契約書の明確化、業務の適切な管理・監督が必要です。
これらを踏まえて、不動産賃貸管理会社がアウトソースを検討する際には、費用対効果を含めた検討が必要です。
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