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賃貸物件が事故物件になってしまった時の対処法|何をやるべきか

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賃貸物件が事故物件になってしまった時の対処法|何をやるべきか

不動産会社やオーナーさんが管理している賃貸物件が、もしも何らかの事故の発生により「事故物件」になってしまった場合、どのように対処すべきか、何をやるべきか、という事がわからないという方は多いでしょう。

管理している賃貸物件が、事故物件となってしまうケースは稀だと思われるでしょう。

ですが、平均寿命が上がるにつれて、賃貸物件での死は多くなり、どのような場合が事故物件という判断になるのか、迷うケースは多くあります。

また、稀ではありますが、本当に事故物件となってしまった場合に、その際の対処法について、何をやるべきかを知っておく必要があります。

今回の記事では、賃貸物件が事故物件になってしまった場合の対処法について解説させていただきます。



<目次>
事故物件とは
 「事故物件」の定義や判断基準
 事故物件の告知義務
事故物件が出たときの対処法(何をやるべきか)
 ①警察や連帯保証人に連絡
 ②賃貸借契約の解約と家賃などの精算
 ③家財や遺品整理
 ④特殊清掃の依頼
 ⑤原状回復
 ⑥次の入居者募集開始にあたって告知
 ⑦損害買収請求などの協議
まとめ


事故物件とは


「事故物件」の定義や判断基準

「事故物件」の定義や判断基準は、自殺、殺人、火災、自然災害、不動産犯罪等により、死亡や重大な被害があった物件を指します。

年々自殺が増えている現代において、事故物件が発生してしまう事は他人事ではないかもしれません。


事故物件かどうかは、その物件が実際に事故や事件の舞台となったかどうかが判断基準となります。

ただし、一定期間が経過してから入居者に提供された物件でも事故物件と認定される場合があります。


また、高齢化に伴い、賃貸物件での自然死や孤独死も増えてきました。

どの範囲までを事故物件と捉えるのか、また入居募集の際に事故物件としての告知の義務が必要なのかという判断に迷う時があります。

このように、賃貸物件で入居者が亡くなった時に「どのようなケースで告知すべきか」「どの程度までの調査が必要か」などの考察や決定が、家主にとっても入居者にとっても難しい課題となっていました。


そこで、2022年10月に、国土交通省により、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」の策定が行われました。

以下が、その内容です。

▶︎参考:「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました(国土交通省)


つまり、このガイドラインによると、「事故物件」となる判断基準は以下のように定められています。

・宅地建物取引業者が媒介を行う場合、売主・貸主に対し、過去に生じた人の死について、告知書等に記載を求めることで、通常の情報収集としての調査義務を果たしたものとする。

・取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)については、原則として告げなくてもよい。 

・賃貸借取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死以外の死が発生し、事案発生から概ね3年が経過した後は、原則として告げなくてもよい。 

・人の死の発生から経過した期間や死因に関わらず、買主・借主から事案の有無について問われた場合や、社会的影響の大きさから買主・借主において把握しておくべき特段の事情があると認識した場合等は告げる必要がある。 


事故物件の告知義務

不動産業者やオーナーは、事故物件である旨を入居希望者に正確に伝える義務があります。

告知しなかった場合、契約解除や損害賠償を求められる可能性があります。

どのような場合に告知義務があるかについては、以下の記事を参考にしてください。


▼参考記事:「人の死」に関する告知のガイドラインを解説【不動産取引】 


事故物件が出たときの対処法(何をやるべきか)


①警察や連帯保証人に連絡

事故物件が発生した場合、まずは警察に連絡し、適切な処理を依頼します。

また、賃借人が亡くなった場合など、連帯保証人にも連絡して事実を報告し、相談することも重要です。

事故のケースによっては、近隣住民や、同じ賃貸物件に住む人への連絡も必要となります。

事故の発生時刻や、発生場所、どのような事故だったかなどを、警察の調査により明確にする必要があります。

・事故物件かという判断を下すため

・事故物件となる場合に次の入居者を募集する際に告知義務がある場合

これらの調査結果は重要となります。


②賃貸借契約の解約と家賃などの精算

事故物件が発生した場合、賃貸借契約が相続される場合と、解約に至る場合があります。

入居者が賃借人であり、その入居者が死亡した際、賃貸借契約は消滅せず、賃借権は相続人に相続されます。

契約は相続人に承継され契約が継続されるため、不動産オーナーや大家さんは入居者の死を理由に契約を勝手に解除したり、その部屋にある家具や家財を破棄することはできません。

賃借権が相続人に相続されると、賃借権だけでなく、敷金や毎月の家賃債務も相続人に相続されます。

そのため、賃貸物件で入居者が死亡した場合は、連帯保証人や緊急連絡先に連絡を取って、賃貸借契約の相続を取りまとめる対応を行う必要があります。

この際、全ての相続人が相続破棄した場合は、賃貸借契約は消滅し家具などの所有権も破棄となります。

入居者が死亡した物件で、家賃の滞納があったり、未払い請求があった場合は、支払いの債務も相続人に承継されます。

よって、滞納分の家賃と未払い分の請求は、相続人に対して請求や督促を行います。

ただし全ての人が相続を破棄した場合は、これらの請求や督促は誰にも出来なくなります。

さらに、部屋に残った家財の処分費用や、原状回復費用もオーナー負担となります。

相続される場合も、されない場合も、家賃などの精算が必要となります。

これは契約時の契約内容に基づく事になります。


③家財や遺品整理

解約する場合は、家財や遺品の整理についても取り決める必要があります。

相続される場合は、賃借人の相続を受けた人に委ねられる事になります。

相続されなかった場合は、オーナーの責任や負担で家財や遺品の整理が行われる必要があります。


④特殊清掃の依頼

事故物件の清掃には、通常の清掃業者では不十分な場合があります。

特殊清掃業者に依頼することで、適切な清掃が行われます。

また、特殊清掃にかかる費用は、オーナーや入居者によって異なる場合があります。

特殊清掃の流れとしては、警察の検死やDNA鑑定が終わってから、除菌や汚物処理を行なった後に清掃が行われる事になります。

家財の搬出や、クロス剥がし、ハウスクリーニング、消臭と除菌などが行われます。

特殊清掃を行なっている専門業者への依頼が適切だと考えられます。


⑤原状回復

建物や設備に損害が発生することがあります。

その場合は、オーナーの管理の元に原状回復のために修繕や補修を行う必要があります。

原状回復に必要な費用は、賃貸借契約に基づいて誰が負担するのか、また負担額がどの程度かは契約内容によって異なります。

次の入居者が心地よく、不快感を伴わず入居できるための、リフォームが必要になると考えられます。


⑥次の入居者募集開始にあたって告知

事故物件が発生した場合、次の入居者募集開始前には、その事実を正確に告知する必要があります。

告知しなかった場合、法的トラブルや信用問題を引き起こす可能性があります。

告知義務に関しては前述した通りになります。

また、オーナーにとって、その事故物件に次の入居希望者が現れるかどうかの心配があるでしょう。

不動産賃貸管理会社に、告知や入居者募集を任せられた場合、適切な対応が必要となります。

同時に、近隣住民への対応も必要なケースがあります。

集合住宅の場合は、心情面に配慮する必要があるでしょう。


⑦損害買収請求などの協議

事故物件が発生した場合、近隣の入居者や家族などから損害賠償請求がある場合があります。

また、損害賠償を請求する場合もあります。

このような場合は、法的なアドバイスを受けた上で、必要な協議を行う必要でしょう。


まとめ

管理している不動産賃貸物件において、自殺などの事故が発生し、「事故物件」となってしまった場合の対処方法についてまとめさせていただきました。

事故物件が発生した場合、まずは警察に連絡し、適切な処理を依頼することが重要です。

また、賃貸借契約の解約や精算、特殊清掃や原状回復、次の入居者募集時の告知、損害買収請求など、必要な対処法については、適切な法的アドバイスを受けつつ、できるだけ迅速に対応することが求められます。

事故物件の発生は、入居者やオーナーだけでなく、周辺住民や関係者にとっても深刻な問題となり得るため、迅速かつ適切な対応が必要です。

何をやるべきかについて、今回の記事を参考にしてください。


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