賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
2022年2月、経済産業省は 「GXリーグ基本構想」を発表しました。
2023年度以降に本格稼働する「GXリーグ」とは何なのか?
不動産業界への影響はあるのかについても解説します。
GXとは、「グリーントランスフォーメーション」の略。
簡単に言うと、化石燃料をできるだけ使わず、自然(グリーン)にやさしいエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動のことです。
2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を同じにすること)や、2030年の国としての温室効果ガス排出削減と産業競争力の向上を実現するために世の中全体を変革していこうという取り組みのことを「GX」と言っています。
なおDX( デジタルトランスフォーメーション)とは、「IT(情報技術)の浸透が、人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」ことを意味します。
IT機器を取り入れ業務の効率化を図るだけではなく、ユーザーや消費者、さらには社会に変革をもたらすことを目的としており、GXとDXは「社会を変革させる」という点では共通しています。
リーグ(連盟)は、「共同の目的を達成するために行動を共にする組織」という意味。
つまり、「GXリーグ」とは、温室効果ガスの排出削減と経済成長を実現するために行動を共にする組織ということになります。
GXリーグには、同じ目的を持っているたくさんの企業(2022年6月現在440社)が集まり、行政機関や学術団体などと協力し合いながら、目的達成に向けた取り組みがスタートしています。
日本は国として、2050年にカーボンニュートラルを実現することを国際的に約束しています。
日本企業が持つ低炭素やカーボンニュートラルの技術、環境への投資は世界有数で、日本だけでなく世界のカーボンニュートラルに貢献できる大きな可能性を秘めています。
温室効果ガスの削減やカーボンニュートラルに向けた取り組みやルールづくりは、世界的に見るとヨーロッパ(EU)がリードしています。
とはいえ、まだ決まったルールがあるわけではなく、世界各国がその主導権を握ろうと競い合っています。
日本から世界に対して、GXのルールや仕組み、日本企業の優れた技術などを積極的に発信・提案し、GXの新たな市場を創っていくというリーダーシップを発揮していくことがとても重要です。
GXに自ら取り組む「企業群」と官・学が連携し、2050年への道筋と未来社会像・課題を共有しながら、市場ルールの形成、生活者意識への働きかけなどを行います。
産官学民の幅広いステークホルダーが、ワーキンググループを構成して、2050年カーボンニュートラルのサスティナブルな未来像とそこに向けた経済社会システムの移行像を示します。
上記未来像を踏まえ、新たなビジネスモデルを検討し、カーボンニュートラル時代の市場創造やルール作りを行います。
高い排出量削減目標を自主的に掲げ、その達成に向けた取組の推進・開示、カーボン・クレジット市場を通じた自主的な排出量取引を行います。
環境省「脱炭素ポータル」では、脱炭素に向けて8つの重点的な対策が示されています。
脱炭素の基盤となる8つの重点対策
1. 屋根置きなど自家消費型の太陽光発電
2. 地域共生・地域裨益型(ひえきがた)再エネの立地
3. 公共施設や業務ビル等における徹底した省エネと再エネ電気調達と更新や改修時のZEB化誘導
4. 住宅・建築物の省エネ性能等の向上
5. ゼロカーボン・ドライブ(再エネ×EV/PHEV/FCV)
6. 資源循環の高度化を通じた循環経済への移行
7. コンパクト・プラス・ネットワーク等による脱炭素型まちづくり
8. 食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立
特に、3・4は不動産業界と関わりが深く、ZEBとは Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物を指します。
GXリーグ設立によって、不動産業界では住宅への太陽光発電設置、ZEB・ZEH、既存住宅の省エネ化が推進されることが予測されます。
ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略。
年間のエネルギー収支をゼロにする家と同様に、環境省・国土交通省・経済産業省が連携して支援事業を行っており、一定の要件を満たすと事業者側、住宅を建てた方に補助金が給付されます。
GXリーグ基本構想では、GXリーグ参画企業に対して排出量削減、製品・サービスを通じた市場での取り組みなどを実施することを要件としています。
参画企業が排出量削減などに貢献した際には、外部から正しく評価されるルール作りを進める予定です。
2023年度以降に本格稼働する「GXリーグ」について解説しました。
2050年カーボンニュートラル実現に向け、不動産業界でも、快適な室内環境を実現しながら「省エネや再エネ性能の向上」などが推進されていくのではないでしょうか。
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