賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
不動産テックってなに?
注目されている不動産テックとは、どのようなサービスかを解説していきます。
不動産テックとは、「不動産」×「テクノロジー(技術)」を掛け合わせた造語です。不動産業界でIT(情報技術)を活用して、不動産業務の進化を図る事です。
不動産テック協会では、「不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組み」と定義しています。
そもそも不動産業界は、紙の文書、電話、ファックス、対面ビジネスなどのアナログな業務が主流でした。不動産以外の業界ではテクノロジー化が急速に進む中、時代遅れと言っても良いような状態でした。
不動産テックは近年注目を集めており、日本の不動産市場に変革をもたらす可能性のある、期待されているサービスです。
ITの発達や規制緩和の動きとともに、不動産テック領域へ新規参入する企業がここ数年で増えています。
また、コロナ禍において、顧客のニーズによりVR(バーチャル)での内見やオンラインでの対応が余儀作され、不動産テックが急激に進化した背景などもあります。
実際のところ不動産テックというサービスが、現状においてまだまだB to C向けのサービス(顧客向けのサービス)が多かったところから、近年はB to B向けのサービス開発に力が注がれています。
企業が不動産テックを導入することによって、顧客サービスがレベルアップして、煩雑な事務処理が格段に効率化し、結果として会社の売上アップにつながります。
◉不動産テックの導入により、企業においては
・非接触の導入により顧客のニーズに応えやすくなりサービスアップ
・郵送費・交通費・人件費など様々なコスト削減
・見積もり作成や契約書作成・顧客管理・経理における業務の効率化
・コロナ禍における社員教育の効率化
・顧客への情報提供の効率化とサービス向上
などの効果がもたらされます。
◉中でも不動産テックでもっとも効果が実感できるのが、業務の効率化でしょう。
・物件情報やポータルサイトの管理や更新の効率化
・物件情報が、緻密で的確に把握でき提供できる
・伝票作成、契約など、不動産業には時短化
・連絡ミスや入力ミスも減る
・効果や反響の測定が容易
このように効率化によって生み出された時間を、充実した追客や自社ホームページのマーケット分析、オウンドメディアでの情報提供などに充てていく事が可能になります。
不動産テック導入により、企業は導入の資金をかけただけのメリットを得られると認識している会社が増えています。
不動産テックには12種類あると言われています。
それらは大きく分類すれば
・不動産業界の業務効率化を実現するサービス
・一般層である顧客に対して価値を提供するサービス
・物件自体に付加価値を与えるサービス
のいずれかに当てはまると言えるでしょう。
この12種類の分類は、不動産テック協会による「カオスマップ」における定義を参考にします。
【不動産テック協会とは】
一般社団法人不動産テック協会。不動産とテクノロジーの融合を促進し、不動産に係る事業並びに不動産業の健全な発展を図り、国民経済と国民生活の向上並びに公共の福祉の増進に寄与することを目的とし発足。(公式サイトより)
尚、下記が、日本の不動産テックカオスマップにおける各カテゴリーの定義です。
カテゴリ名 | 定義 |
---|---|
VR・AR | VR・ARの機器を活用したサービス、VR・AR化するためのデータ加工に関連したサービス |
IoT | ネットワークに接続される何らかのデバイスで、不動産に設置、内蔵されるもの。また、その機器から得られたデータ等を分析するサービス |
スペースシェアリング | 短期〜中長期で不動産や空きスペースをシェアするサービス、もしくはそのマッチングを行うサービス |
リフォーム・リノベーション | リフォーム・リノベーションの企画設計施工、Webプラットホーム上でリフォーム業者のマッチングを提供するサービス |
不動産情報 | 物件情報を除く、不動産に関連するデータを提供・分析するサービス |
仲介業務支援 | 不動産売買・賃貸の仲介業務の支援サービス、ツール |
管理業務支援 | 不動産管理会社等の主にPM業務の効率化のための支援サービス、ツール |
ローン・保証 | 不動産取得に関するローン、保証サービスを提供、仲介、比較をしているサービス |
クラウドファンディング | 個人を中心とした複数投資者から、webプラットホームで資金を集め、不動産へ投融資を行う、もしくは不動産事業を目的とした資金需要者と提供者をマッチングさせるサービス |
価格可視化・査定 | 様々なデータ等を用いて、不動産価格、賃料の査定、その将来見通しなどを行うサービス、ツール |
マッチング | 物件所有者と利用者、労働力と業務などをマッチングさせるサービス(シェアリング、リフォームリノベーション関連は除くマッチング) |
物件情報・メディア | 物件情報を集約して掲載するサービスやプラットフォーム、もしくは不動産に関連するメディア全般 |
それでは、12種類それぞれの不動産テックについてさらに詳しく解説していきます。
「VR」は「Virtuar Riality」の略で、日本語では「仮想現実」と呼ばれています。不動産業界でのVR活用はVR技術により現地に足を運ばずともお客様が物件の類似内覧を行えるサービスの事を指します。
この技術を活用すれば、お客様のニーズに応えられるだけでなく、仲介業者にとっても業務の効率化や契約の機会損失を防ぐメリットにつながります。
「AR」は「拡張現実」の事で、現実世界に仮想世界を重ね合わせて表示する技術を指す言葉です。例えば、不動産業界では3D空間に間取りや家具の配置をシミュレーションするサービスとして活用されています。入居前にイメージを膨らませる事で、契約につながりやすくなったり、入居後のギャップを極力減らすことで契約後のトラブルを最小限に抑えるなどのメリットがあります。
AR技術で家具の配置シミュレーションをするサービスは「バーチャルホームステージング」とも呼ばれ、オンラインでの対応が拡大している現在では、物件案内に活用され空室対策にも有効であることから、需要度が高まっていくサービスであると注目されています。
「IoT」は 「Internet of Things]の略でモノをインターネットにつなぐ事です。身の回りのあらゆるモノをインターネットに接続する仕組みの事です。
例えば不動産においては、玄関ドアにIoTを取り入れてスマホ上で鍵を施錠・解錠できる機能や、スマホの画面あるいはスマートスピーカーによる音声操作で室内ライトの光量を調節したり、空調管理をしたりする機能が挙げられます。
また管理物件では、管理状況を確認するためのカメラやセンサー、電子錠による入退室管理システムに関するサービスなどもあります。
IoT化が進むと、不動産の利便性や価値が向上すると考えられています。
スマートフォンなどのデバイスで解錠・施錠を行う「スマートロック」は、住まいやオフィスだけでなく、民泊施設などでも既に導入されています。さらに、内見したい物件にスマートロックが導入されていれば、仲介業者とのスケジュール調整やオーナーからの鍵の受け渡しの手間が省けるというメリットも。
「 スペースシェアリング」は不動産や空きスペースをシェアするサービスの事を指します。
自分の使っていないスペースを他人に貸し出すようなサービスであり、例えば、家の空き部屋を旅行者に貸し出すサービスがすでに行われているところもあります。
オフィスや宿泊場所、カフェ、キッチン、農園、駐車場など幅広い場所で活用されていて、今後スペースシェアリングサービスは多様化がさらに進み拡大して、多くの企業が参画していく分野であると予想して注目されています。
特に、働き方の多様化が進む近年では、シェアオフィス・サービスオフィスの需要が増えており、新たなサービス形態も提供され続けています。
このサービス上でのマッチングやコラボレーションなどでも、不動産の新たな価値が追求されてきています。
「リフォーム・リノベーション」に関する不動産テックの働きは、主としてはユーザーに対して情報の提供をして、リフォームやリノベーションの企画・設計・施工、リフォーム業者とのマッチングを提供するサービスを指します。
また近年では、特定事業者による代表的なサービスとして、中古物件探しからリフォーム・リノベーションのデザインと施工までのサポートや、リフォーム・リノベーション後のインテリアコーディネートまでを、ワンストップサービスにて取り組む事業者もあります。
▶︎オススメのリノベーション不動産テック「リノッタ」
依然深刻な空室率悪化やスクラップ&ビルド問題を受け、2009年にスタートしたのがリノベーションプロジェクト「LifeDesignProject!!!」。
築古物件の一室一室にコンセプトを設け、永く愛されるお部屋を提供する取り組みです。
これにより、大量生産・大量消費という時代を変えられると考えました。
さらに、真の問題解決には、この考えを全国に広める必要がありました。
こうして、2012年には「Renotta」を発足。
全国の加盟店とリスタートし、現在は加盟店舗数497※店舗と、
賃貸リノベーションネットワーク全国1位にまで拡大しました。
「不動産情報」は物件情報を除き、不動産に関連するデータを提供・分析するサービスです。
このサービスは、不動産情報の取り扱いに関するものであり、物件データを一度に閲覧することができるため、不動産の登記情報を一つ一つ取りに行く手間を省くことができます。
事業者によっては、不動産の登記簿謄本や物件概要書のみならず、建ぺい率など物件情報に直接関連しない土地データの自動収集も可能であったり、登記簿謄本のPDFを画面にドロップするだけでデータ化できるなど、 さらなる業務効率化につなげられます。
2022年1月に改正された「電子帳簿保存法」で、不動産業界でも取引データの保管において大きな変化が生まれ増田。不動産情報の不動産テックは、電子帳簿保存法の改正によりさらなる需要となっています。
「仲介業務支援」は、不動産売買や賃貸の仲介業務を支援するサービスです。
顧客と不動産の間の仲介をテクノロジー化する取り組みにより、業務効率化を図る事が最大のメリットです。
例えば、一般消費者である顧客が内覧予約から入居の申し込みまでをオンライン上で完結できる賃貸サイトや、管理業務を請け負う管理会社への連絡もオンライン上で一括されるシステムなどもあります。
「管理業務支援」は、不動産業者のあらゆる管理業務を効率化するサービスです。主に「プロパティマネジメント」と呼ばれる業務を支援し、不動産の空室募集や契約締結、入居者のクレーム対応、賃料回収などをサポートします。
顧客管理、契約管理、鍵管理、売上管理など、分野に合わせた管理システムがあり、マンション管理やビルメンテナンスなどで活用される不動産テックです。
「ローン・保証」は不動産取得に関するローン、保証サービスを提供・仲介・比較するサービスです。
不動産テックのテクノロジーにより、さまざまな状況に応じた住宅ローンは保証のシミュレーションを行うことが主な役割です。
顧客それぞれの「融資が可能となる住宅ローン額」を算出・判定してシミュレーションし、不動産購入のハードルを低めることも有効となります。
「クラウドファンディング」は個人を中心とした投資者から資金を集め、不動産への投資・融資を行うサービスです。 また、不動産事業の新規起ち上げを目指す起案者に投資を行うサービスも含みます。
高額な不動産の投資費用を大人数で分割し、投資家一人あたりの金額は少額からでも始めることができるシステムであり、いわゆる、不動産事業を目的とした需要者と投資家をつなぐマッチングサービスとも言えるでしょう。
少額からの不動産投資参入が可能なサービスもあり、本来多額のコストが必要な不動産投資ですが、クラウドファンディングを利用すればローリスクで投資することが可能になります。
「価格可視化・査定」はさまざまなデータを用いて、不動産価格、賃料の査定、将来的な見通しなどを解析するサービスです。
テクノロジーを用いたデータの収集・分析により、不動産の物件価格を査定し公表し、現在の不動産価格だけでなく、将来的な不動産査定額も算出することが可能です。
これまでは住宅の市場価値を把握することは困難でした。しかし特定事業者より提供される莫大な不動産データをもとにした価格可視化し、査定ツールの活用により、より正確な市場価値が判断できるようになってきており、不動産売買の意思決定を支援することが可能です。
「マッチング」は、不動産オーナーと消費者、業務とリソース、退店希望者と出店希望者など、さまざまなケースのマッチングを推進するサービスです。
顧客と不動産の所有者はもちろん、リフォーム業者や税理士など不動産に関わるさまざまな人同士をマッチングさせるサービスもあります。
適切なマッチングサービスを利用することで、専門家に対する相談や手続きにかかっていた時間を大幅に短縮させることができるでしょう。
不動産の物件情報や広告を各種メディアに掲載することも、不動産テックのサービスで行えます。住宅だけでなく、オフィスやビルの情報をメディアに掲載できます。
近年では急激にインターネットが普及し、オンライン上で不動産情報の収集をする人が増加しました。
物件情報ポータルサイトや情報サイト・メディアに、消費者向けの関連情報を掲載し、そのまま内覧予約まで行えるサービスが提供されています。
このサービスにより顧客の物件探しにかかる時間・不動産会社の顧客対応・契約取引にかかる時間が大幅に短縮化されます。
不動産テックが増えている分、導入先やどのような不動産テックを導入すべきかは、経営陣にとっては慎重になるでしょう。
不動産業界にとっては、近年のテクノロジー化に乗り、長年デジタル化に苦戦してきたこの業界で、不動産テックの開発に積極的に参画する企業も増えてきました。そのため、今後も様々な不動産テックが開発されていくと予想されています。
また、現段階ではテクノロジーによる管理・仲介業務の効率化に注目が集まっていますが、今後はこれまでの不動産業界での価値観を覆すような不動産ビジネスやサービスが生まれたり、DX化実現の可能性も広がっています。
そのためには、不動産テックの動向や意義を正しく理解したうえで、市場のニーズを読み解きながら、自社の会社の強みや弱みを踏まえた商品を選択するをことが重要です。
・不動産テックとは何か
・不動産テックの必要性
・不動産テックの種類
・不動産テック導入のポイント
を徹底解説しました。
今後の不動産テックの導入や業務体制の見直しの参考にしてください。
▶︎オススメの不動産テック「 不動 産 テ ッ ク の T A T S U J I N 」 (当社の不動産テック)
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