賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
年に1度、株式会社クラスコ(以下、クラスコ)が開催している社内アイデアコンペ「クラスコンペ2022」が2022年1月18日に開催されました。
今年で7回目を迎える社内アイデアコンペ「クラスコンペ」ですが、毎日、目の前の業務に追われていると、考えることがなくなっているように感じます。
コンペも7回を迎えると本当にたくさんのアイデアが集まりました。
そこで感じたのは実行することの難しさです。
せっかくの良いアイデアなのに実行されずになくなってしまうことは、すごく勿体ないと思います。
完璧でなくていい、7割、5割で良いので、まず実行してみることを会社としては大切にしていきたいと思います。
以前はアイデアを出し合う、創造することをグループミッションとしていたクラスコですが、グループミッションをリニューアル。
楽しい社会をデザインするアイデア実行企業
へと生まれ変わりました。
今回のクラスコンペにおいてもブランドメッセージである「DO IDEA」
アイデアを創造することから、アイデアを実行することへシフトチェンジし、アイデアを「形」にすることを目的としています。
アイデア実行後、成果やプロセスについて効果測定を行い、評価に基づいて最大10万円の実行ボーナスを進呈いたします。
▼以下ではノミネートされたアイデアをご紹介します。
⚫︎電子領収書の導入
⚫︎コインランドリーに持ち帰り専用の食品自販機を設置
⚫︎VITRINE MEDIAを設置し仲介店舗を華やかに
⚫︎SDGsへの取り組み
⚫︎ルームシェア物件の拡大
⚫︎家賃未納を予防するために
⚫︎キャリア採用×Googleアンケート
⚫︎オーナー向け相談カウンター設置
⚫︎契約金等のクレジットカード決済の導入
⚫︎オーナー対応専門部署の開設
⚫︎トランクルーム契約の口座振替利用率を増やし顧客満足度を上げる
⚫︎自分で作るコンセプト部屋
⚫︎テレビ電話を使った受付応対
⚫︎来店対応数引き上げとオーナー満足度向上
⚫︎トラブル事例の共有会
⚫︎入居時、日用品プレゼント
⚫︎Googleストリートビューで店内パノラマ3Dツアー
⚫︎暮らすコンシェルジュの多様化から顧客満足度を上げる
⚫︎クオリティ・オブ・ビュー(内見の質を上げる)
⚫︎じぶんで内見のオートメーション化
⚫︎チャット対応によるオートメーション化
⚫︎満室レターを活用し、オーナーとテナントの架け橋に
⚫︎お客様と3回会うために…
⚫︎グッドアイデアを一緒に実現しよう
この中より10のアイデアを選出して皆様にご紹介いたします。
目から鱗の業務改善法ばかりですので、最後までお見逃しなく!
賃貸管理に領収書は欠かせません。
領収書とは商品やサービスを提供する側にとっては、商品やサービスを提供したことに対する対価として、確実にお金を受け取ったということを証明するためのものです。
二重請求や過払いを防ぐ役割も担っています。
領収書に記載するものは、品目・日付・金額・但し書き・宛名・発行者だけでなく、記載金額5万円以上の場合は金額に応じた収入印紙を貼らなければなりません。
収入印紙とは、主に国に対する税金(印紙税や登録免許税等)や手数料等を支払う目的で発行される証票です。
契約書や領収書などの金銭が生じる契約に課せられる税金を印紙税と言います。
その手数料を支払うために発行される証票を「収入印紙」と言います。
領収書の受取金額 | 収入印紙の金額 |
---|---|
5万円未満 | 非課税 |
5万円以上~100万円以下 | 200円 |
100万円超~200万円以下 | 400円 |
200万円超~300万円以下 | 600円 |
300万円超~500万円以下 | 1,000円 |
500万円超~1千万円以下 | 2,000円 |
事務課では原状回復の精算の際に、領収証をお送りしています。
敷金の精算日が月に3回ほどあり、1回の精算で修理費が5万円以上かかるものが10件ほどあります。
・印紙税200円×10件×計上3回×12ヶ月=¥72,000
・発送費84円×10件×計上3回×12ヶ月=¥30,240
合計¥102,240
発送費などを合わせると、領収書の発行に10万円程のコストがかかっています。
その他、控えを保管するスペース、印紙を買う手間もかかります。
そこで、電子領収書の導入を提案します。
印紙税方では一定の文章には印紙税がかかると定められていて、その中には領収書も含まれます。
しかし、電子領収証は紙で発行されていないため「文章」には該当しません。
よって非課税扱いになり、収入印紙は不要になります。
他のメリットとしては、
・郵送費がかからない
・印紙を買いに行く手間がなくなる
・データのため劣化しない、保管スペースが必要ない
・フォルダ管理により探しやすい
電子領収書の導入には専用のソフトなどの初期費用はかかりますが、長期的に見てもメリットが多いのではないでしょうか。
2015年の国連総会で採択された『持続可能な開発のための2030アジェンダ』に書かれた持続可能な開発目標「SDGs」は、多くの企業でも取り組んでおり事業者にとっては社会的評価の1つの指標ともなっています。
不動産会社とっても、無関心ではいられないテーマになってきました。
SDGsが目標とするものは、事業に直接関係する分野もあれば間接的な分野もあります。
また日常的に無意識ながらも実践している行動目標もあり、SDGsを意識することが企業活動をより創造的にする効果もあります。
・企業イメージの向上
高校生の関心度はなんと8割以上!しっかりアピールができれば、企業のイメージが上がり、入社を希望する人材が集まるかもしれません。
・ビジネスチャンスの可能性
企業イメージが上がれば思いがけないチャンスを掴む可能性があります。クラスコに来社された企業様との会話のきっかけになるかもしれません。
・地域住民、全国から注目される
良いイメージが定着すると、地域はもちろん、全国からも注目される企業へと成長します。
一見、難しいように思いますが、既に弊社で取り組んでいるものもあったのでまとめました。
これらの取り組みは、まとめて終わりではなく、アピールする必要があります。
クラスコの運営する対不動産会社向けのコラムサイト「TATSUJINジャーナル」に取り組みを掲載し、同時にFacebookでも拡散。
他にもプレスリリースで発信、HPにもしっかりと掲載します。
すぐに取り組める内容になっていますので、社会的に意義のある企業としてクラスコの取り組みをしっかりとアピールしていきます。
賃貸仲介店舗で、お客様とお話ししている中で
・初めての一人暮らしは不安…
・ルームシェアが出来たらいいのに…
・他の不動産屋さんにルームシェアを断られた…
など、ルームシェア物件を希望・探しているお客様が多い印象を受けました。
そこで現状、ルームシェアの需要が高まっているのではないかと思いました。
しかし、ルームシェア物件となると、オーナーが断るケースがほとんどで、クラスコでもあまりご提案できない状況にあります。
【オーナーの心配事】
・家賃をすぐに滞納するのでは?
→ルームシェア入居者全員に連帯保証人をつける
・すぐに退去するのでは?
→ルームシェアの場合は短期解約違約金を必須にする。
そこで、長期空室の物件をルームシェア可能物件にすることを提案します。
家賃50,000円→ひとり1万6000円
入居者→ルームシェアができる◎
オーナー→満室になり収益の最大化
課題は、駐車スペースが複数箇所必要になることと、騒音問題があります。
課題解決に向き合い、ルームシェア物件の拡大を進めていければと思います。
賃貸管理業務の一つに、家賃支払いが遅れている方への家賃督促業務があります。
電話やメール、書面など様々な方法で督促していますが、手間と時間がかかっています。
家賃未納を予防して催促業務を削減したい…遅延なくオーナーへ送金したい…という思いがあります。
・口座残高不足
・振り込み期日を守らない
・入院していた
・年金受給日に支払う
など、家賃支払いが遅れる理由は様々です。
中でも困るのが、年金受給日に支払うと言う高齢者への家賃督促です。
年金受給は2ヶ月に1度…確実に家賃滞納になるのです。
年金受給者は働いていませんし、収入は年金だけ、管理会社が「鬼」だと言うように扱われ、スタッフも心を痛めています。
契約時に年齢が若くても長く契約していただくと、必ず高齢化が訪れます。
どうすれば督促の手間を省き、確実に入金していただけるのか、その方法を考えました。
・家賃支払いは保証会社経由
・家賃未納は減る
これが進めば結果的に高齢者の家賃滞納は削減され、督促業務も削減、対応スタッフのストレスも軽減できるのではないでしょうか。
オーナー向け相談カウンター「満室実現カウンター」を東京のクラスコ銀座オフィスに設置したいと考えました。
2021年の7月に金沢で満室ギャラリーがオープンしました。
沢山のオーナーや不動産会社の方に見にきていただくことができまして、BtoBサービスの新規導入に繋がった回数は9回、新規導入に繋がった社数は11社といずれも大きな数字に繋がりました。
オーナー専用のギャラリーですがBtoB事業にも大きな恩恵を受けています。
そこでシェアリングとカウンタービジネスを応用し、さらなる事業成長が期待できるのではないかと考えました。
クラスコ銀座オフィスは、東京・銀座のど真ん中にあり、立地がとても良い場所です。
ここに「満室&リノッタギャラリー」を新設しようと考えました。
⑴ギャラリー機能
オーナー向けお役立ち情報の展示
(賃貸経営の知識・改善事例・満室の窓口PR・リノッタPRなど)
⑵セミナー・相談スペース
少人数セミナーや個別相談の実施
⑶カウンター機能
・相談に来た不動産オーナーを相談員が対応
・全国と不動産会社とのマッチング
⑷BtoB検討企業向けの体感スペース
満室の窓口やリノッタのネットワーク加盟を検討している企業が実際の運用モデルを体感
マッチングに至らなくても会員登録でリード獲得、オーナーコミュニティを形成できます。
相談カウンターやギャラリーは東京にはないので、認知度アップにも繋がり、今後はTATSUJINサービスのアンテナショップ化を目指せるといいなと思いました。
クラスコのトランクルームを契約されている方の家賃収納を正常化することにより、滞納額を減少させたい、そのためには口座振替利用者を増やすことで家賃収納の正常化に繋がればと思いました。
【トランクルームの利用者】
・石川県居住利用者→90%
・滞納率(月初め)→20%
・契約期間平均年数※入居中→5年以上
ここ数年で見ても口座振替利用率は低くなってきています。
振込みが多いと滞納率も大きくなります。
振込手数料はWEBからの振込み同行宛の場合は0円、他行からの振込の場合は110円です。
しかし、トランクルームの家賃はほとんどが1万円以下と少額のため数カ月分まとめて振込される方、月末までに振込することをうっかり忘れてしまう方がいらっしゃいます。
そこで取り組みたい内容は手数料をオーナーに負担していただくことです。
・トランクルームの契約更新は1年毎
・入居者からいただく更新事務手数料2,200円は月賦に変更
※2,200円÷12ヶ月=183円(1ヶ月)
・更新事務手数料月賦料183円+口振手数料660円(月額)
合計843円を賃料に加算して募集します。
・成約に至った場合は毎月オーナーへ843円を請求します。
・新規募集はフリーレントキャンペーンの告知。
これを行うことで、口座振替の利用により契約者は賃料振込の手間が省け家賃収納が正常化することにより滞納率も減少します。
お客様の満足度UPに繋がる可能性もあり、業務の簡略化にも繋がります。
賃貸店舗の受付をしていて困ることのひとつに、賃貸管理についての来客があります。
飛び込みのお客様がいらっしゃると、内容をお伺いして適宜応対しているのですが中でも、お困りごとや更新・退去のご相談はその場で応対できないことが多く、お客様に時間や手間をとらせてしまいます。
現在の受付での対応方法にはそれぞれ問題点があります。
・電話を話をして間に入って伝える
→又聞きになりスムーズでない
・管理部署へ出向いてもらう
→お客様へ負担がかかる
・お客様の携帯にかけてもらう
→相手の状況が見えない、待たせる
・お客様につきっきりになる
→店舗・受付が無人になる
このように管理がいないと、その場での対応が難しい場合が多くあります。
iPad 又は パソコン・イヤホンマイクの設置
LINEなどのテレビ電話アプリを利用すると
▶︎スムーズに解決できる
▶︎お客様への負担が減る
▶︎顔を見て話せる
テレビ電話の導入により、お客様満足の向上・店舗や受付の負担軽減が期待されます。
突然ですが、質問です。
Q、皆さんは仕事で失敗したことはありますか?
A、何かしら、失敗の経験があると思います。
そんな仕事での失敗の経験を共有し、同じミスを減らすことを目的としたトラブル事例の共有会を提案します。
注意点としては失敗を非難する場では決してないと言うことです。
1.事例を集める
エントリーシートORアンケートORスプレッドシート
2.集めた事例を精査する
カテゴリー分け▶︎内容の確認▶︎発表者の選定
3.集めた事例の発表・共有
ステージで発表ORオンライン開催OR動画配信
〈予想される効果〉
・クラスコとしての共通の知恵となり同じような失敗を減らすことが出来る
・失敗を次に活かす文化づくり
・失敗の事例を聞いて、他人事ではなく自分も起こりうることだと気をつける機会の創出
現在のサービスのブラッシュアップにも繋がる内容となっています。
まず、クラスコで行っている「じぶんで内見」
こちらはコロナウイルス流行前から始めているサービスですが、最近では他社でも多く取り入れられています。
・煩わしいやりとりが多い
・何度も同じ説明が必要
・有効なデータが取れない
などが、「じぶんで内見」の現場の問題点として挙げられます。
従来のやり方ですと、スタッフとお客様とのやり取りが多く、お互いが面倒だと感じることが多くあります。
これが、スタッフを介さずにお客様が予約から内見まで完全にセルフで行える仕組みを考えたいと思いました。
・「じぶんで内見」専用ページを作成(HP内)
→対応可能な物件のみ掲載することで、分かり難さがなくなり、無駄な説明を削減できる。
・同じ説明は動画を活用
→既存の入居申し込みフォームを活用、無駄なやり取りも削減。
あとは、お客様の希望条件を入力できるようにアンケート機能を追加すれば追客に必要なデータも集めることができる。
・内見後はGoogleフォームで完了報告
→入力をもって完了報告、お客様の声をデータで集める。
仕組みを変えることで複雑な手間が省け、じぶんで内見予約増加が見込めます。
さらに、完全非対面による感染防止やお客様の声を空室対策へ役立てることも可能になります。
売買営業課でのよくあるケースを紹介します。
不動産(家)を買うことは人生の中でもとても大きな買い物です。
良いなと思い、現地に内見に行っても決まらないケースはよくあることですよね。
2回目のアポイントでお電話しても、断られてしまう場合もあります。
スタッフ「資金計画はお考えですか?住宅ローンの仮審査は行なったことありますか?」
お客様「希望に近い物件が出てきたらまた連絡します〜」
そうなると、3回目のアポイントは取りにくいですよね。
【お客様側の心理】
・希望に近い物件があれば見たい!
・有益な情報をもらえるなら会いたい(なければ会わなくて良い)
【クラスコ側(不動産会社)】
・希望に近い物件が無いと連絡しずらい…
・「追客しろ」「コミュニケーションを取れ」と言われてもただ連絡するのは…
一般的に、スリーセット理論・ザイアンス効果(単純接触効果)とも言われており、3回以上会うことで成約率は上がると言われています。
そうなると、何とか3回目のアポイントを取りたいと思いませんか?
ポイント1
『個別セミナー』という名目で特別感を与えアポイントへ繋げる。
ポイント2
『営業時間内ならいつでも可』とすることで時間が合わないお客様を断らせない。
ポイント3
個別セミナーと謳っても、通常行なう接客と同様の内容のため、営業の負担は0。
ポイント4
個別セミナーにて誘客するためのランディングページ(専用HP)を作成。
〈予想される効果〉
・お客様と3回会えることで信頼感が増加、クラスコへ任せてくれるチャンスUP。
・追客ツールが増えることで、インサイド&営業の追客の質が上がる。
・今の成約率より更に成約率が上がる?!
過去のクラスコンペでは、新しいものを生み出さなければいけないというところがフューチャリングされ、なかなか実行ができませんでした。
しかし、実行することを前提としてアイデアを出すことで、使命感が生まれます。
このアイデアをより具現化し、社内を巻き込んで取り組んでいただきたいですね。