賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
ブロックチェーンは、2008年に生まれてから約10年の間に、さまざまな技術アップデートがされてきました。
仮想通貨の1.0、金融全般に拡大した2.0、そして非金融領域での活用に繋がる3.0。
不動産業界ではこの(ブロックチェーン3.0)のビジネス活用が注目されています。
今回は、ブロックチェーン3.0により不動産業界はどう変わるのかをご紹介します。
ブロックチェーンとは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに、暗号技術を組み合わせ、取引情報などのデータを同期して記録する手法です。
ブロックチェーンは仮想通貨「ビットコイン」を構成する技術として登場しました。
これまで資産や権利などの重要なデータは、正確性や安全性を担保するために、政府や銀行などの中央管理者が全て管理するシステムで厳重な対策を施した上で管理してきました。
しかし、ブロックチェーンは中央管理者なしに、IT技術によって正確性と安全性を担保することを可能にしました。
こうしたビットコイン型ブロックチェーンの強みは次の4つのポイントと言われています。
(1)サーバーなどで中央管理する中央管理者がいない
(2)システム復旧が早い
(3)情報の改ざんが困難
(4)維持コスト削減
ブロックチェーンは、ネットワークに接続した複数のコンピュータによりデータを共有することで重要なデータをネットワーク上で、共有しながら管理する技術です。
参加者が同一のデータを保有しているので、情報共有が簡単であるにもかかわらず、データの改ざんが困難かつ、一部にシステム障害があっても稼動し続けることができます。
一般的には暗号通貨のための技術だったブロックチェーン1.0から、フィンテックへの活用が可能になった2.0、そしてフィンテック以外への領域で活用が可能になった現在が3.0と言われています。
不動産業界ではこの(ブロックチェーン3.0)のビジネス活用が注目されています。
ブロックチェーンは、不動産とITを融合した技術革新を指す「不動産テック」の中核技術としても注目を集めています。
ここでは三つの活用例を紹介します。
一つ目に、不動産登記や取引情報、課税状況など不動産に関する情報を集約した不動産情報プラットフォームをブロックチェーンで構築することが検討されています。
これが実現するとワンストップで不動産情報を取得することができます。
現在の不動産登記は,不動産の所在地を管轄する法務局等が行うことになっており、登記申請から登記記録が公開されるまである程度の時間がかかるため、その間は当該不動産の権利関係が分かりません。
不動産登記記録は当該不動産の過去の権利関係の移転の履歴及び最新の権利に関する公開情報であり、改ざんが許されない資料であることから、不動産登記情報の管理はブロックチェーンの特性が生かされます。
さらにブロックチェーンを活用することで、管理者が不要となるため登記手続きを効率化(コスト削減)が実現できます。
二つ目は、不動産に関する契約情報をブロックチェーン上に書き込むことで、不動産に関する契約書を電子化し、契約の執行を自動化することが可能になります。
この仕組みは「スマート・コントラクト」と呼ばれています。
「スマートコントラクト」とは、ブロックチェーンシステム上の概念であり、あらかじめ設定されたルールに従って、ブロックチェーン上の契約や取引を実行されるプログラムを表しています。
ここでのスマートとは自動化を意味しており、不動産取引の業務を効率化すると期待されています。
三つ目は、IoT(Internet of Things)による不動産の管理を効率化することです。
IoTとは、身の回りのあらゆるモノをインターネットにつなげる仕組みです。
例としてはスマートキーやスマートリモコンなどが挙げられます。
IoTで不動産の管理業務を行うことで、これまでデータとして捉えることの出来なかった様々なデータを収集・分析することが可能となります。
◉積水ハウス
積水ハウスはビットコイン取引所国内最大手でブロックチェーン技術を有する企業であるbitFlyerとの共同事業により、bitFlyerが開発した次世代ブロックチェーンである 「miyabi」およびそのスマートコントラクト(契約の自動化)の仕組みによって、日本で初めてとなる不動産情報管理システムを構築しました。(2017年より)
◉ツバイスペース
不動産ブロックチェーン技術の特許を持つツバイスペースは20219年に、ブロックチェーンを利用した「レジスターナイト」というシステムを用いて、不動産登記への実務運用を開始しました。
不動産売買が成立した場所や時間を自動的に記録し、手間のかかる不動産取引の効率化・自動化を目指します。
◉LIFULL
2020年より、不動産情報サイト大手のLIFULLはデジタル証券プラットフォームを提供する米セキュリタイズと提携して、ロックチェーンを用いた不動産のデジタル証券化の実証実験を開始しました。
実際に国内初の一般個人投資家向け不動産STO(Security Token Offering)を実現しています。
◉ジョージア
ヨーロッパとアジアの境にあるジョージアという国では、私有地の登記率が25%と低く、費用も高く、手続きが面倒でした。
そこで、土地登記の仕組みにブロックチェーンを導入しました。
手続き時間の簡素化、費用大幅削減にも成功し、登記率も大幅に増えました。
◉エストニア
エストニアはデジタル先進国として知られています。
国家戦略として「e-Governance」を1997年に推進し始め、2012年に世界で初めてKSI(Keyless Signatures Infrastructure)を生産システムに導入しました。
KSI導入の背景は2007年4月に受けた大規模なサイバー攻撃が発端となります。
インターネットのインフラが麻痺し、行政も麻痺するなど、大きな被害を受けたため、セキュリティ強化を急ぐ必要がありました。
2020年現在、エストニアでは結婚、離婚、不動産売買以外の行政サービスはすべてオンラインで行えるようになっいるのです。
ブロックチェーンはまだ発展途上で、課題も多くあります。
ブロックチェーンを本格的に活用するにはまだ早く、数年はかかるとも言われています。
しかし、不動産業界のシステムや構造を変革するなど、大きな可能性を秘めた技術です。
ブロックチェーンによって不動産業界にどのような変化がもたらされるのか、今後の動向にも注目です。