賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
最近「不動産テック」と言う言葉をよく耳にすると思います。
古い体質が残っていた不動産業界に大きく変えるサービスとして注目を集めていますが、「どういったものなのかいまいちわからない」と言う人もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、今知っておかないとまずい不動産テックの基本的な知識を分かりやすくお伝えしていきます。
まず「不動産テック」とは「不動産」と「テクノロジー(科学技術)」を掛け合わせて作られた造語です。
Real Estate Tech(Real Estateとは不動産の英語)やそれを略してRetech(リテック)とも呼ばれます。
その言葉の通りテクノロジーを使って不動産業に関わる課題や従来の不動産業界の仕組み・習慣を変えようとする価値や仕組みのことを指します。
SUUMOやHOME’Sなど物件の情報を集めて物件を探しているお客様に見てもらえるようにするWebサイトがありますが、これも不動産テックの一つです。
不動産テックに限らず、「〇〇テック」と言う言葉、概念がここ最近増えていますが、その先駆けは「金融(Finance)」と「テクノロジー」を掛けた「フィンテック」にあるとされています。
金融業では経済成長に伴って金融機関の利用者が急増した際に業務の効率化が課題となったことで先んじてテクノロジーの導入、発展が進んでいました。
しかし一方の不動産業はというと、取引の電子化が進まず、契約書も紙ベース、何度も対面でやり取りしなければいけませんでした。
不動産というものが高額なので取引にも注意がいるということと、不動産とは一口に言っても売買や賃貸、管理、仲介など様々あり業務が複雑ということがテクノロジー化を妨げていたのです。
ですがインターネットが普及し始め、1990年には不動産情報のネットワークシステム「Real Estate Information Network System」(REINS、通称:レインズ)が作られたことで不動産に関しても電子化が進んでいきました。
2017年には不動産業で最も重要な重要事項説明をオンライン上で行う「IT重説」が本格運用し、これによって不動産テックの誕生の土台が完成、今に至ります。
ここまでは不動産テックとは何かという定義的な話をしてきました。
ここではどういった不動産テックがあるのかについて紹介していきます。
2018年設立の「一般社団法人不動産テック協会」では、不動産の事業領域を12のカテゴリーに分け、以下のように定義づけしています。
カテゴリー | 定義 |
---|---|
AR・VR | AR・VRの機器を活用したサービス、AR・VR化するためのデータ加工に関連したサービス |
IoT | ネットワークに接続される何らかのデバイスで、不動産に設置、内蔵されるもの。また、その機器から得られたデータなどを分析するサービス |
スペースシェアリング | 短期〜中長期で不動産や空きスペースをシェアするサービス、もしくはそのマッチングを行うサービス |
リフォーム・リノベーション | リフォーム・リノベーションの企画設計施工、Webプラットホーム上でリフォーム業者のマッチングを提供するサービスス |
不動産情報 | 物件情報を除く、不動産に関連するデータを提供・分析するサービス |
仲介業務支援 | 不動産売買・賃貸の仲介業務の支援サービス、ツール |
管理業務支援 | 不動産管理会社等の主にPM業務の効率化のための支援サービス、ツール |
ローン・保証 | 不動産取得に関するローン、保証サービスを提供、仲介、比較をしているサービス |
クラウドファンディング | 個人を中心とした複数投資者から、Webプラットホームで資金を集め、不動産へ投融資を行う、もしくは不動産事業を目的とした資金需要者と提供者をマッチングさせるサービス |
価格可視化・査定 | 様々なデータ等を用いて、不動産価格、賃料の査定、その将来の見通しなどを行うサービス、ツール |
マッチング | 物件所有者と利用者、労働力と業務などをマッチングさせるサービス(シェアリング、リフォーム・リノベーション関連は除くマッチング) |
物件情報・メディア | 物件情報を集約して掲載するサービスやプラットフォーム、もしくは不動産に関連するメディア全般 |
不動産テックと一口に言ってもこれだけの分野があり、それぞれの分野毎に多種多様なサービスが今なお誕生しています。
興味のある分野があればぜひ自社の業態や業務と照らし合わせて調べて見ることをオススメします。
不動産テックの分野に関する解説記事はこちら
https://retech-network.com/posts/detail/243
では最後になりましたが、不動産テックを導入するとどのようなメリットがあるのかについて解説します。
メリットとしては大きく、3つあります。
業務を不動産テックによってIT化することで業務効率が向上します。
重要事項説明や内見、契約の締結など今まで対面で行う必要があった業務がオンラインでできるようになったり、今まで紙で管理していたもの、手作業で集計、計算していたものなどがシステムで簡単に運用・管理できるようになるので、接客時間や作業時間が大きく削減できます。
業務時間が減るということは、残業時間や人件費の削減にも効果があるので、業務がブラックと言われてきた不動産業界としては大きな改善となります。
今での不動産業界はお客様から見ると不透明な部分があり、いわゆる「情報の非対称性」が強く現れていました。
どういうことかというと、お客様は不動産屋が言ったことが正しいかどうか判断することができないので、そのまま鵜呑みにせざるをえなかったのです。
それゆえ立場が同等ではなく、横柄な態度の不動産屋も少なからずあったそうです。
しかし、SUUMOをはじめとしたポータルサイトと呼ばれる不動産テックの普及によってお客様が簡単に正しい不動産情報を得ることができるようになってきました。
今後も今まで以上に不動産会社しか知りえない情報が減り、お客様と不動産会社が対等でオープンな業界のイメージが生まれることが予想されます。
VR(仮想現実)を利用し、実際に物件に行かなくても内見できるサービスがコロナの影響もあって注目を集めていますが、今まではお客様が興味のある物件をスタッフと一緒に直接巡る方法しかありませんでした。
このように不動産テックの誕生によって今までのやり方にプラスで新しい選択肢を生み出したり、今までできなかったことができるようになったりと新しい価値をお客様に提供するが可能となってきています。
その分、これまで以上に不動産会社同士の提供するサービスに差が生じてきているので、何も行動しないとあっという間に置いていかれてしまうでしょう。
不動産テックはこれからの不動産業界では「知っていて当たり前」「使っていて当たり前」のものとなります。
今後も様々な不動産テックが生まれ、業界も変化していくので感度高く情報を収集するようにしていきましょう。
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