賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
ロジックツリーは事象の分析、問題の原因特定や目標設定、課題解決に至るまでさまざまなシーンで使用することができる便利なフレームワークです。
耳にすることが増えたロジカルシンキングの手法としても有名です。
日々生まれる問題や課題に対し、とにかく手当たり次第に対処していて時間が足りなくなる、あるいは効果が得られていないという方はぜひチェックしてみてください。
ロジックツリーとは、問題の原因解明や解決策立案のため、問題を論理的に関連した要素ごとにツリー上にMECEにして(モレなくダブりなく)分解していく方法です。
目前の課題や問題が初めはどれだけ難題に見えても、一歩一歩論理に基づいて分解を続けていけば、最終的には必ず原因や解決策を見出すことが出来るものです。
ロジックツリーは大変汎用的かつ実践的な技術なので、身に付けることで既存のフレームワーク(物事を論理的に考えるための思考の枠組み)が通用しない問題にも対応することが出来ます。
ロジックツリーを作成することで様々なメリットが得られます。
メリットは大きく分けると以下の5点です。
まず、問題を定義し、その原因を書き出すことで問題を取り巻く全体像を見える化することができます。
これによりメンバー間への共有が容易になり、「そもそも問題を把握できていない」「問題の定義が個人間で異なる」というような、議論の前提でのつまずきが減ります。
また、ロジックツリーを利用すれば、問題の全体から徐々に掘り下げていって問題を構成している原因をリストアップすることができ、原因の特定に繋がります。
解決策を考える場面においてロジックツリーを使って要素分解する中で特に改善したい原因を発見した時は、その原因の解消を課題と捉えて別のロジックツリーを作成することも可能です。
課題を解決するためのアイデアを下位の要素に書き出し、それを実現可能にするアクションプランをリスト化していきましょう。
そのアクションプランを考える際、それぞれの要素に対して解決しうるアクションを書き出し一望することができるので、「どのアクションの影響が大きいか」「どのアクションなら早く取りかかれるか」など、優先順位がつけやすくなることもメリットです。
さらに、ロジックツリーでは作成者の思考が整理されるのはもちろんのこと、問題の全体像が俯瞰できることでチームメンバーとの共有がしやすいです。
アクションの内容だけ伝える場合、その必要性などを理解してもらうことにも手間がかかり実行まで時間を要してしまうこともあります。
ロジックツリーならアクションが設定される経緯がひと目で分かるため、問題解決のために各メンバーが指示通りにアクションを遂行しやすくなります。
ロジックツリーはただ連想ゲームのように進めても意味がなく、コツが必要です。
以下でロジックツリーを作成する際の注意点をいくつかご紹介します。
MECEであること
MECEとは、マッキンゼーが提唱し始めた、問題を要素分解する時の条件のことです。
以下のように4つの要素から構成されており、それぞれの頭文字から取っています。
一言で表すと、【ダブりがなく、漏れもない】状態を指します。
場合によってはMECEを保つことが難しいケースも少なくありません。
MECEを徹底するために要素が増えすぎると本質が伝わりづらくなってしまうこともあります。
そこで効率的にロジックツリーを作成するには、だいたい7割位の適度なMECE感を出すことが重要です。
俯瞰して見たときの分かりやすさのためには、多少のダブり、漏れを妥協することも必要なのです。
問題の定義の明確化
前提として、問題の定義が明確にできていないと、ロジックツリー全体が崩れてしまいます。
例えば売上を昨年比150%アップするという課題があったとして、利益率の認識は共有されているでしょうか。
現状の利益率のままアップさせれば良いのか、利益率を多少下げてでも売上150%アップさせることが必達項目なのか、それとも本当の目標は売上目標達成時に見込まれている利益金額で、利益率を向上すれば良いのか、この3つではそれぞれステータスが異なります。
そして、ロジックツリーから導き出される解決策も変わってくるでしょう。
ロジックツリー作成時にはこうした認識のズレがないよう、問題の定義を明確にすることが必須です。
要素分解の切り口は仮説から
要素を分解する際、どのような切り口で分解しようか迷う場面に遭遇することが多いと思います。
このときに大事なのが「仮説思考」です。
例えば、リスティング広告においてキャンペーン別、媒体別、キーワード別、広告別、ユーザー属性別など様々なデータを閲覧することができますが、全てのデータを常時見ている訳にはいきません。
全体の数値を見て「スマートフォンのCPAが高騰しているのではないか、デバイスごとのデータを見てみよう」などと仮説を立てて改善に役立つデータを参照することが重要です。
これと同様に、要素を分解するときもその原因を仮説立てることにより、原因特定や改善アクションに繋がる要素を記入できるようになります。
包有関係・因果関係を意識
ロジックツリーを作る際は、左右の要素同士の関係性を意識することが必要です。
【包有関係】
要素分解ツリー(Whatツリー)では包有関係を厳守します。
右の要素の合計が左の要素とイコールでなければなりません。
【因果関係】
原因追求ツリー(Whyツリー)などでは、右の要素が原因となり、左の要素の結果をもたらしているという関係を保つことが重要です。
行動を導き出すまで掘り下げる
問題解決ツリー(Howツリー)において、ロジックツリーの目的は現状を改善できるアクションに落とし込むことです。
問題を中途半端に分析するだけに終わらず、できるだけ今すぐに取り組める行動をリストアップしましょう。
要素分解ツリー(Whatツリー)や原因追求ツリー(Whyツリー)はアクションと関係がないように見えますが、最終的には業務内容に反映できなければ意味がないため、ToDoを意識して作成するといいでしょう。
要素の並びを整列する
要素1つを分解したとき、そこから3つ以上の要素に分解されることもあるでしょう。
その際、要素の縦順の並びも整理しておくとより良いロジックツリーとなります。
参考までに、3つの軸を紹介します。
以上の6点を押さえれば、問題の解決に繋がるロジックツリーを作ることができます。
上記でも何度か出てきていますが、ロジックツリーには目的に応じて使い分けるべき4つのタイプがあります。
Infinity-Agent Labにて具体例が挙げられているため、ご紹介します。
Whatツリー(要素分解ツリー)とは、その名の通り物事の要素をどんどん分解していき、要素を網羅的に把握するためのロジックツリーです。
例えば、購入する車に悩んでいるとき、選択肢を洗い出す場合にも役立ちます。
車というざっくりとしたカテゴリーを徐々に分類していくことで、様々な車種が存在することがわかります。
この中から、自分の目的や希望条件に合わせて車種を絞り込んでいくという活用法もあります。
原因追求ツリーはある問題に対して原因を列挙し、根本原因が何なのかを突き止めるという使い方をします。
例えば、ダイエットしても体重が落ちない方が、その悩みをロジックツリーにまとめたとします。
「ダイエットがうまくいかない!」という悩みを抱えている場合、ロジックツリーによって夕食を食べる時間が遅いという原因が判明したなら、今後の改善が期待できそうです。
問題解決ツリーは、解決したい問題に対して改善策を挙げていく使い方です。
別名としてイシューツリーとも呼ばれています。
最初に問題を取り上げるという意味では、Whyツリー(原因究明ツリー)と似ていますが、こちらはより今後のアクションに直結している活用方法です。
例えば、インターネット広告についての個人ブログへの集客を加速させたいとき、以下のようにロジックツリーを作成すると良いでしょう。
上記の場合、取りうるアクションを比較した結果、広告配信の検証についての記事が人気であったため検証系の記事作成に注力していく方針にすると問題解決に繋がります。
問題解決ツリーの派生として、KPIツリーが使われることも多いです。
KGI(Key Goal Indicator / 経営目標達成指標)を設定し、それを達成するための中間目標であるKPI(Key Performance Indicat / 重要業績評価指標)を設定します。
そのKPIを達成するためのより細かいKPIを設定し、日々のアクションに紐付けていきます。
KPIツリーの特徴は、各要素に数値が関係していることです。この各KPIの数値に対しての進捗を定期的に確認することで、KGIの達成に向けてチームの動きを統率しやすくなります。
ロジックツリーは問題の根本的な原因を特定し、次のアクションに繋げるためのフレームワークです。
作成時には適切な種類を選んだり注意点に留意したりする必要があります。
基本を理解して、問題解決や目標設定など様々な場面で活躍するロジックツリーを是非使ってみてください。