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2020.06.25
ものが良ければ売れる時代は終わりを告げており、これからはどれだけ効果的なマーケティングができるかが鍵と言われています。
不動産業においてもそれは同じで、環境を分析した上で積極的にマーケティング活動に取り組まなければいけません。
今回は、マーケティング戦略を考える際に有効とされる「3c分析」について、不動産業における使い方とともにご紹介します。
3c分析とは、マーケティングにおける環境分析のフレームワークの一つです。
3cは「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの頭文字を取ったものです。
立場の異なる3つの視点から分析することで効果的な戦略立案ができるとされています。
3c分析をする際に把握すべき項目の代表例を紹介します。
「Customer(市場・顧客)」
・業界の規模
・市場の成長性
・顧客ニーズ
・顧客の消費行動
「Competitor(競合)」
・競合のシェアと推移
・競合の特徴
・競合のポジション
・新規参入・代替品
・競合の予測される行動
「Company(自社)」
・自社の企業理念・ビジョン
・既存の事業、自社製品の現状
・既存ビジネスの特徴
・現在有している資源の強み、弱み
・資本力
不動産でも会社を考える上ではこのあたりは変わりませんが、物件について考えるのであれば物件が置かれている周辺環境なども項目として含まれるでしょう。
3c分析の目的は市場と顧客・自社・競合のそれぞれの分析から成功に関わる要因を発見することです。
成功要因を導き出せば、事業成功のために取るべき行動の方向性が見えてきます。
自社と外的要因を照らし合わせることで、自社の強みと弱みも抽出できます。
分析自体が目的ではなく、マーケティング戦略を練る上での参考知見を得ることが目的ということは理解しておきましょう。
不動産会社の商品としては物件になりますが、これをどのように売っていくか、どのように差別化を図っていくかを考える上でも有用となります。
それでは3c分析の具体的な手順をみていきましょう。
画像のようなテンプレートを埋めることで内部要因と外部要因の情報を整理していきます。
顧客分析を行うときは市場を分析した後に顧客分析することをおすすめします。
目的は市場・顧客ニーズの変化を把握することです。
市場の現状や規模、顧客のニーズなどから何をターゲットとするのかを決めることが重要です。
これを把握していないと自社の強みや弱みも判断できません。
市場を分析する際はマクロとミクロに分けて考える必要があります。
マクロ分析を行う場合は景気の動向や人口の動態、法改正など社会変化に起因する環境の変化をみます。
その際に使用するフレームワークとしてはPEST分析が有効です。
Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字を取ったもので、これらの変化を把握することが市場分析に役立ちます。
PEST分析の詳しい記事はこちら
ミクロ分析では業界の市場規模、構造、新製品のトレンドなどの状況と変化をみていきます。
これを分析する有効な手法としてファイブフォース分析があり、これは買い手の交渉力、売り手の交渉力、新規参入業者、代替品の脅威、競争関係という5つの要因を分析するものです。
マクロとミクロで得た情報から環境の変化が顧客の行動、ニーズにどのような影響を与えるかを予測していきます。
不動産に関しては法令やトレンドが大きく影響を与えるのでマクロ的な見方もかなり重要になってきます。
マーケティングをする上では環境だけでなく競合の分析も必要不可欠です。
競合会社の分析では、競合会社が市場・顧客ニーズの変化にどのように対応しているのかをみます。
競合会社の業界におけるポジションや現状を把握してその要因を分析したり、できるのであれば競合の売上や利益率、広告宣伝費などを自社と比較することが望ましいです。
自社と競合の違いを明確にし分析することで今後どのように差別化を図っていくべきかのヒントが見つかります。
自社分析とは、市場・顧客ニーズの変化、競合の動向を把握した上で自社が成功できるビジネスモデルを見つけるための分析です。
自社の強み、弱みをはっきりさせ、競合の弱いところに力を入れたり、強みの部分を参考にするなど自社が成功するために何が必要かを探ることが目的となります。
現在の市場の規模を確認した上でそこにおける事業の成長性を想定したり、自社製品のユーザー層を把握することで今後の収益アップに寄与するビジネスモデルを考えます。
自社分析を行うフレームワークとしてはSWOT分析が使われることが多いです。
SWOT分析とは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字でを取ったもので、自社の強みと弱み、ビジネスチャンスや脅威の存在をマトリクス上に並べて分析します。
SWOT分析についての詳しい記事はこちら
ここで不動産会社においてマーケティングを考える上での3c分析使用例を簡単にですが紹介します。
物件の周辺環境や顧客のニーズ、トレンドなどを書き出します。
まず、顧客・市場の要素については、その後に競合物件はどういった傾向があるのか、何が強み・弱みなのかを考えます。
最近は物件情報をネットで簡単に見ることができるので、間取りや設備、家賃設定などからどういった層をターゲットにしているのかも把握しましょう。
そこを踏まえた上で所有物件はどういった長所・短所があるのかを分析します。
弱みと思えるものでも入居者からすると実はそれほど気にならなかったりすることもあるので、入居者目線でも見てみることが重要です。
顧客や市場、競合物件と所有物件の情報が集まったらそこからどういったことが言えるのかを分析します。
同じようでもアパートごとに他と異なる点は必ず存在します。
複数の事項を組み合わせることで新しい見方が生まれることもあるので、まずは箇条書きで多くの情報を出すことを意識しましょう。
3c分析を活用することで課題や今後どういった戦略を取っていけば良いのか、何をすれば良いのかが見えてきます。
不動産業においても、物件ごとに考えていくことでそれぞれのマーケティング方針、売り方が見えてくるかと思います。
ぜひ戦略立案をする際に3c分析を導入してみてその効果を実感してください。
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