
賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
少子高齢化の進行により、空き家問題は今後より深刻化していくと考えられます。
今回は空き家の現状を解説すると共に、4つの活用法をご紹介します。
まずは、空き家の現状について各種データを参照しながらお伝えします。
総務省統計局が発表した平成30年住宅・土地統計調査によると、空き家数は年々増加しており、空き家率が平成30年には過去最高の13.6%となっています。
また、空き家物件の数は昭和63年からの30年で452万戸増えており、空き家問題が加速していることがわかります。
さらに、野村総合研究所の「2018年、2023年、2028年および2033年における日本の総住宅数・空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)の予測」では、2033年の空き家数は2,150万戸(空き家率30.2%)に膨れ上がると予測されているのです。
この資料において、今後このまま空き家数や空き家率が上昇することで住環境の悪化や行政コストの増大などの問題に発展する可能性があり、これらを抑制するために人口減少への何らかの対策や活用価値が低下した住居の除去、複数戸の住宅を1戸の住宅にする減築リフォーム・リノベーションなどを進めていく必要があるとされています。
また、空き家は近隣住民にとっても悪影響をもたらすことがあります。
近隣住民が受ける可能性がある被害としては、下記のものがあります。
このような被害を減らすためにも、空き家を放置せずに何らかの対策を講じていく必要があります。
様々な悪影響をもたらす恐れのある空き家がなぜ減らないのか、それには様々な原因がありますが、その一つに固定資産税の問題があります。
土地に関する固定資産税は、土地の上に建物がある状態だと「住宅用地の軽減措置特例」の適用を受けて最大で6分の1(都市計画税は最大で1/3)になります。
一方、建物を解体してしまうと上記の軽減措置を受けることができず、特例を受けていた時の固定資産税と比べると、最大で6倍(都市計画税は最大で3倍)になってしまいます。
ただでさえ空き家解体には費用がかかるという状態でこのような制度があるとなると、なかなか空き家の解体につながりません。
そこで、こうした現状を踏まえ2016年5月に「空き家対策特別措置法」が施行されました。
一定の要件を満たした空き家は「特定空き家」に指定され、上記の住宅用地の軽減措置特例の対象から外れることになりました。
この法律により、空き家を長期間放置していると建物が建っていたとしても固定資産税が6倍になるようになり、空き家に関する制度上の問題は一定程度解決されました。
一方で、現在空き家を保有している方や今後空き家を相続する見込みのある方にとっては、何とかして空き家を活用していかなければならなくなったと言えます。
このような流れを受け、近年空き家の様々な方法での活用が活性化しているのです。
ここでは、空き家の活用法を4つご紹介します。
現在空き家を抱える不動産会社様などは、是非ご活用ください。
これは空き家のまま居住用や事業用として賃貸に出したり売却したりする方法です。
不動産会社が仲介して借主や買主を探します。
立地や建物の状態が良い空き家ならこのような活用も可能です。
一方で、立地が悪いことで貸主や買主を見つけるのが困難な空き家に関しては、他の方法を探さざるを得ません。
2つ目は建物を解体して土地を活用するという方法です。
土地が大きく立地が良ければアパートやマンションを新しく建築して賃貸に出すことが可能ですし、立地が良くともその土地が小さい場合は駐車場経営やトランクルーム経営、またコインランドリー経営など様々な活用法が考えられます。
仮に立地が悪い場合でも、土地の大きさがある程度確保できるのならば太陽光システムを設置するという活用法もあります。
これらの活用法の問題点としては、建物を解体して新たに事業を始めるため、ある程度まとまった土地が必要になってくるということが挙げられます。
空き家をカフェに活用
近年増えているのが、空き家をリフォームして古民家カフェとして活用するという方法です。
古民家カフェを経営しながらそこでの暮らしを楽しみたいという人が増えているようです。
このようなお店は若者や観光客にも人気があり、今後も増えていくと予想されます。
古民家をリフォームしてカフェとして利用する際、全てを新しいものに取り替えるのではなく、古いものを残しつつ空間を作っていくことが重要です。
古くなった柱は木の温もりを感じることができますし、薪ストーブも古いものを再利用することでその土地の文化を感じることができます。
シェアハウスは高収益・高安定を両立した新しい賃貸経営スタイルです。
所有する空き家をそのままリフォーム・リノベーションすることで、すぐに経営を始められるという点もメリットです。
既に一定の市場規模を確保しており、今後さらに需要が見込めるビジネスです。
学生たちが自分たちの手でリノベーションしたシェアハウスなども話題となっており、空き家のシェアハウスへの活用は今後も増えていきそうです。
年々空き家問題は深刻化しています。
それに伴い空き家の活用法はどんどん増えていっており、その立地状況や空き家の状態に合わせた活用法を選ぶことにより、有効的な使い方も可能となります。
空き家を適切な方法で活用し、さらに活性化させていきましょう。