賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
近年、「老後は田舎でのんびり過ごしたい」「家族で移住したい」などの理由から、田舎の一軒家に移り住む人が増えています。
その様な方には、空き家の売り手と借り手を仲介してくれるサービス「空き家バンク」がおすすめです。
この空き家バンクを有効的に活用するためには、その仕組みや物件事情などをしっかりと理解しておく必要があります。
今回は、空き家バンクとは何か、また利用するときのメリットやデメリットについて解説します。
空き家バンクとは
空き家バンクの目的
空き家バンクを利用するメリット
ー価格が安い
ー自治体にも注目されている
ー補助金でさらに値下げ可能
空き家バンクのデメリット
ー所有者と直接交渉しなくてはならない
ー物件情報が不足している
各自治体での空き家バンクの導入例
まとめ
空き家バンクは各自治体が主体となって運営しています。
所有している空き家を貸したい人や売りたい人が登録し、自治体がその情報を媒介して提供するサービスです。
この情報を元に、空き家を買いたい人や借りたい人が最良の物件を見つけて申し込むことで、購入や賃貸ができるといった仕組みです。
近年、増え続ける空き家問題は社会的な問題となっています。
最近では古民家カフェの様な収益獲得の手段としても活用されており、この様な有効的な活用が地域の活性化にも繋がるとして積極的な空き家利用が推奨されています。
しかし、そもそも田舎の奥地に多く存在する空き家はその存在自体が知られていないため、活用することが難しいというのが現状です。
つまり、情報がないということが一番の課題となっていました。
そこで空き家の情報を共有することができれば活用されやすくなることから、空き家バンクは誕生しました。
民間にも空き家物件の仲介をしている不動産仲介業者はありますが、そのほとんどが営利目的です。
一方で運営の主体が地方自治体の空き家バンクは、空き家という社会問題を解決するために活用しているものであり、その目的は営利ではありません。
周囲の住民や環境を守ることを目的としている空き家バンクは今後注目されるべきサービスであると言えるでしょう。
自治体が主体となっている空き家バンクには、利用すると様々なメリットがあります。
その具体的なメリットは以下の3つです。
不動産仲介業者が紹介する空き家を借りた場合、仲介手数料の支払いが必要となります。
しかし、営利を目的としていない空き家バンクを利用すれば、仲介手数料が必要ない場合があり、さらに格安で物件を購入することも可能となります。
特に地方の空き家の場合は物件価格が相場よりも安く設定されているケースもあるため、要チェックです。
空き家が多い地域は、人口が少ないことが多いです。
そのため、空き家バンクを利用してその地域に住む人が増加することで、地域活性化への貢献にも繋がります。
また、空き家をビジネスに利用することで地方から訪れる人や移住者が増え、さらなる地域活性化に繋がるとして、自治体からの注目も集めつつあります。
空き家バンクは自治体が運営しているサービスであるため、様々な補助金制度が利用できます。
建物の改修費用などを一部補助してくれる制度などもあり、うまく利用すれば初期費用を抑えることができます。
ただし、各地域によって補助金制度の内容は異なるため、事前の確認が必要です。
3親等内の家族には補助金制度は適用されない点など、注意して確認しましょう。
いざ空き家を契約するとなった時に、通常の物件とは異なるために発生する問題もあります。
空き家バンクを利用する際のデメリットは以下の2つです。
空き家バンクは営利目的ではないため、運営している自治体は契約や仲介に関与していません。
そのため、契約者が自分で直接利用者と交渉する必要があります。
トラブルに繋がる恐れもあるため、協定を結んだ地域の宅建業者に仲介に入ってもらうという自治体もあります。
物件の情報を提供している空き家バンクですが、詳しい情報が掲載されていないケースが多くあります。
これは不法侵入やいたずらのリスクを避けるためであり、致し方ないというのが現状です。
物件の購入を決める前や入居前には、必ず現地で内部や周辺環境を確認しましょう。
ここで、いくつかの自治体の補助金制度などについて紹介します。
南房総市の空き家バンクは、空き家の所有者のための補助金制度を導入しています。
空き家を賃貸として利用者に貸し出し、改修をした場合に、上限を200万円としてその3分の2以内の補助金が空き家利用促進奨励金として提供されます。
この際の条件は改修後に10年間空き家バンクに登録され、移住者の住宅として活用することです。
石垣市の空き家バンクに登録されている物件を対象にした補助金制度です。
上限は20万円として、改修費用の10%が補助金として支給されます。
移住促進のため、3年間活用することが条件です。
「楽園信州空き家バンク」は、長野県の空き家情報が簡単に確認できるポータルサイトです。
補助金制度が利用できる物件や市町村から検索することができ、非常に便利です。
長野県の代表的な制度としては、長野市において、空き家改修に市街化区域では50万円、その他の地域では100万円を上限として補助金を支給しています。
20歳以上60歳未満でI・Uターン者と賃貸借契約をした所有者が条件です。
「楽園信州空き家バンク」
空き家バンクの利用によって、安く物件を購入できたり借りられたりするだけではなく、地域の活性化にも貢献することができます。
通常の物件とは異なるため注意は必要ですが、各自治体の補助金精度などを利用すればコストを抑えることも可能です。
空き家バンクについての情報もきちんと取り入れ、有効に活用していきましょう。