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【書評】シングルタスク一点集中術!/デボラ・ザック著

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【書評】シングルタスク一点集中術!/デボラ・ザック著
この方法はあなたの生産性とパフォーマンスを劇的に変える。
本書は「時間管理」と「自己管理」についてあなたが生涯読む中で、最も重要な一冊になるだろう。—ブライアン・トレーシー
不動産会社で働く皆さんにお勧めする今回の書籍はこちら!

SINGLE TASK(シングルタスク) 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる


♦ このような方におすすめ!

・一日忙しかったのに何も進んでないと感じている方
・仕事の幅ばかり広がり一つの事に集中できていないと感じている方
・業務をお願いされると断れず抱え込み過ぎてしまう方


そもそも人間の脳は、一度に複数のことに注意を向けることが出来ず、マルチタスクといったものは「見せかけ」に過ぎないー

よく巷で言われているマルチタスクといったものは、タスクからタスクに「スイッチ」しているだけで、脳の仕組みとして『マルチタスクといったものは存在しない』

本書はマルチタスクに対する誤解を解き、シングルタスクで一点集中することで「超」効率化を図れるといった事が述べられています。

このコラムをお読みいただき、是非とも本書を手に取り、日々の不動産実務にお役立て頂ければ幸いです。

 

<目次>


1 「マルチタスク」は現代病。「同時進行」をやめるだけで成果は上がる

・タスクからタスクに「スイッチ」しているだけ


2 シングルタスクで脳が力を発揮できる『最高の環境』をつくる


3 シングルタスクを意識して全行動を「一つずつ」にする

・タスクをまとめて「集中的」に処理する


4 シングルタスクを実走するために5分で周囲の信頼を掴む


5 シングルタスクのメリット・マルチタスクのデメリット


6 さいごに


「マルチタスク」は現代病。「同時進行」をやめるだけで成果は上がる


・しなければいけないことが多すぎて時間が足りない
・お願いされるとノーと言えず、やらなければいけないことが増える一方
・集中力を妨げる邪魔が多い


人手不足で人の入れ替わりの激しい不動産会社ではこのようなケースは結構あるのではないでしょうか。

『仕事の幅が広がる』と言えば聞こえは良いですが、『本当にやらなければいけない事』が出来なければ意味がありません。

では、なぜ多くの人がこの「マルチタスク」といった現代病に感染しているのでしょうか・・・



「同時進行」をやめるだけで効果はあがる


私たちは必死になって複数のタスクをこなそうとしているー

考えてみれば、一度に複数の事をこなそうとすること自体「気が散っている」状態であり、そんな状態で成果など上げられるわけがありません。

本当に成果を上げたいのであればシンプルに目の前のことに集中する集中力と環境を設けることが必要です。

タスクからタスクへ「スイッチしてるだけ」

脳は同時に複数のことに注意を向けられない脳は同時に複数のことに注意を向けられない 

そもそも人間の脳は複数のことに注意を向けられないー

スタンフォード大学の神経科学者エヤル・オフィル博士は「人間は実のところマルチタスクなどはしていない。タスク・スイッチング(タスクの切り替え)をしているだけだ。タスクからタスクへと素早く切り替えているだけである。」と説明しています。

要するに【何かをするときに】【別のタスク】に集中することはできない。なぜなら2つのタスクの間で「干渉」が生じるから。

「自分は同時に別のタスクをこなすことができる!」と主張している人がいるなら、それは単なる「勘違い」であり、タスクの切り替えを瞬時に行っているだけです。

そのような働き方では、脳の疲労度が増すだけで、1つの作業に没頭しているときよりミスを犯しやすくなり、仕事の質としては低レベルなものとなってしまいます。

大切なのは『一つの業務に集中すること』シンプルにこれにつきると言えるでしょう。


シングルタスクで脳が力を発揮できる『最高の環境』をつくる

複数ある業務に対して一点集中するコツは周囲の環境と自分の思考をコントロールするところから始まります。 

そしてここが本書の1つ目のメインテーマとなります。 

詳しくは本書を手に取り読んで頂きたいところではありますが・・・

簡単にその内容をまとめさせていただきました。

まずはここから!一点集中するコツ。

・相手に高く評価されたいという欲求から中途半端に複数の業務に手を出さない
・電話や打ち合わせの際は、先に制限時間を伝える
・「メモ」を取ることで、脳に負担をかけず「記憶」を管理する
・煩雑な情報の中で一つにフォーカスするためにパーキングロットを活用する
・デジタル機器からアナログ機器に切り替えるだけで集中力をあげられる
・マルチタスクは脳機能の低下を招く
・1日5分以上シンプルに考える時間を設ける


『思考のコントロール』と言われると敷居が高くなりますが、要するに脳への負担を減らし、自分が本当にやるべきことを明確にすることで一点集中できるフローに入ることが出来ます。

職場の規模が大きくなればなるほど、マルチにこなすことも必要になることでしょう。

しかし、それではただいいように扱われるだけで、成果物としては中途半端なものしか生まれません。

もし、「忙しかったけど今日なにも成し遂げてない」などの事があるようであれば、一度自分の業務をシンプルに見直すことをお勧めします。


シングルタスクを意識して全行動を「一つずつ」にする

ハーバード・ビジネス・レビュー誌が「きわめて能率のいい社員の働き方」といった特集記事を組んだことがあるー

この社員は出社後すぐに仕事にとりかかり、1日に数回リフレッシュタイムを挟んでいることがわかりました。

”休憩を定期的にとる方が、成果をあげられる” 

やるときはやる。やらないときは完全にやらない。この「オン」と「オフ」といったシングルタスクを明確に切り替えることが重要。

しっかりと休憩をとり、自分を「オフ」にする時間があるからこそ、「オン」の時に集中することができている良い事例です。

タスクをまとめて「集中的」に処理する

こちらが本書の2つ目のメインテーマとなります。

・毎朝5分程度の時間をとり、今日やるべきことを書き出す
・類似タスクをまとめ同時に処理する
・メール送信は「出社時」「昼休み前」「退社前」など3回に制限する
・メールの末に「返信不要」などの一言を添え不毛なラリーを減らす
・毎日「小さな目標」を設定し、達成できたかどうか記録を続ける

ここで重要なのが自分の行動一つ一つを洗い出し、類似タスクはまとめ、会話やメールは最小限に留めること。

全て記録しながら前進するー

シングルタスクは身に付けていく習慣であるといった認識をもちましょう。

「アポなしでの相談は断る」

「会議中は会議に集中する」※電話、メールは遮断

「メールは1日3回チェックするだけにする」

などなど、小さな目標をいくつか設定し、それを実行していくことで、目の前のタスクだけに集中し処理することが出来る様になってきます。


シングルタスクを実走するために5分で周囲の信頼を掴む

人の要求に「短時間」で効率よく対応する

・敬意を示しながらきっぱりと「ノー」をいう事で相手の信頼を獲得する
・1つのプロジェクトに取り組んでいる合間に「別の仕事」の確認をしない
・全ての質問や問合せに即座に応じていたら、成果は何も上がらない
・ほんの数分でいいので部下や同僚に「完全に集中」して対応する

人の期待をコントロールする―

ここまでの話をそのまま実践すると、人に無礼だと思われるのではないかと不安に思う人もいるのではないでしょうか?

本書のネタバレになってしまうため、あまり詳しくは書けませんが、シングルタスクを実践するうえで大切になるのが、自分の「習慣」を変えるだけでなく、他の人があなたに寄せる「期待」も変えていかなけらばいけません。一方的に自分の仕事だけをする!などといった傲慢な考えでは組織で働くことはできませんよね?そこであなたは、周囲があなたに寄せる「期待」をもコントロールしていく必要があります。

是非とも本書を手に取り、「シングルタスク」を実装するためのテクニックを学んで頂ければと思います。


シングルタスクのメリット・マルチタスクのデメリット

本書には付録としてシングルタスクのメリット・マルチタスクのデメリットといった題材が用意されています。面白い内容なので一部抜粋で紹介させて頂きます。


マルチタスカーの不合理な主張①会議の最中にメールの返信をすれば能率が上がる。後でやることを1つ減らせるでしょ?


シングルタスカーの合理的な主張①それはとんでもなくいい加減な行動。会議中に作る安直な文章で取り敢えず返信するのは相手に失礼だし、会議中にいきなり質問されて、何も答えられなけらば、あなたは信用を失うことになる。


マルチタスカーの不合理な主張②私は実際にマルチタスクをこなしているし、同時に全ての作業に集中できている。


シングルタスカーの合理的な主張②マルチタスクをしていると必ず気が散る。そうすると、今手がけている作業にも、今対応している相手にも、部分的な注意を向けることが出来ない。


マルチタスカーの不合理な主張③目の前の相手の要求に応じたいからと、他の人を待たせるのは不作法だし自分本位だ。


シングルタスカーの合理的な主張③目の前の相手への対応より、マルチタスクを優先する方がよほど無礼だし、相手の時間を軽んじていることになる。


さいごに

前述のハーバード大学の調査結果として、毎日忙しく働く社員は1日に500回もタスクの切り替えしを行い、最も能率が高い社員はタスクを切り替える回数が少ないことが分かっています。

タスクスイッチングを繰り返すマルチタスクより、一つの事に集中するシングルタスクの方が、人間の脳が行う効率化に最も適していると言えます。

シングルタスクは時間を有効活用し、生産性を高めることが出来ます。

一つの作業に集中するために、自分は何に集中するべきかを明確にすることから始め、

他の人に敬意を払いながらも、必要な時には境界線を設けることで一つの作業に集中し、結果として相手にもいい結果を提供できるようなるのです。

是非とも日々の業務で「一点集中」を試みてはいかがでしょうか!





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