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【民法改正】賃貸経営に及ぼす影響について徹底解説

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【民法改正】賃貸経営に及ぼす影響について徹底解説

120年ぶりの民法改正!

 おさえておきたい賃貸経営に及ぼす影響の4つのポイントを解説します。

 契約に関する主な改正点など、賃貸経営に関する重要な内容が多く含まれています。

民法が制定されて以来の、契約関係のルールに関する最も大きな改正であり、約款に関する規定の新設、賃貸住宅の敷金ルールの明文化、消滅時効規定の見直しなど、社会生活や取引に密接に関連する内容も多く含まれています。

今回は民法改正で賃貸経営に影響がある重要な点をご紹介をさせていただきます。


〈目次〉

民法改正4つのポイント
民法改正1つ目の柱 465条について
民法改正2つ目の柱 465条の4について
民法改正3つ目、4つ目の柱 458条の2及び465条の10
まとめ


民法改正4つのポイント

今回の民法改正で重要なポイントは、大きく4つあります。


 1.保証についてのルール 

賃貸借契約からの債務の保証について、連帯保証人を立てていただくのですが、ここのルールが大きく変更になります。


2.賃借人が、自分で修繕をして費用をオーナーに請求できるようになります。

 これは、一定の基準を満たすとそれが認められるので、条件を含めてしっかりと理解をしておく必要があります。 


3.入居中の不具合で家賃が減額されます。 

改正前の民法では、賃料の減額を請求することができるという規定でしたが、今回は賃料が減額されるということで確定的な表現が出ているので押さえておく必要があります。


 4.原状回復のガイドラインが明文化されます。 

国土交通省から出された、平成10年に公表された原状回復をめぐるトラブルとガイドラインが今回法整備がされて、明文化されます。 


この4つのポイントが、大きく賃貸経営に関わってきますので、押さえておく必要があります。

今回はこの4つのポイントの中から、保証について話をさせていただきます。 

まず、今回保証についての改正点の中で、大きく柱が4つあります。

①改正民法の465条に、個人の根保証契約の保証人の責任ついての規定変更

②465条の4、個人の根保証契約元本の確定の自由について記載

③465条の10、契約締結時に、情報の提供の義務 

④458条の2、主たる債務履行状況に関する情報提供の義務

この4つが今回、大きく保証についての改正になります。


民法改正1つ目の柱 465条について

極度額いわゆる保証の上限額を決めてくださいということになります。

この極度額の設定がない個人の根保証の契約は無効になるという規定になります。

この465条の2の個人の根保証契約の保証人の責任等により個人が賃貸者契約の保証人になる場合、あくまで個人が保証会社に保証を委託する場合はこの規定の対象になりません。

と言うことは、個人の方が保証を受ける場合、個人が賃貸者契約の保証人になる場合、極度額を設定し保証人もその範囲内で保証を負うことになります。

簡単に言うと、極度額を決めて保証人はその範囲内での責任の保証で良いということが規定されています。

そして、極度額の定めのない保証契約は無効になりますので、注意が必要なところになります。

今後極度額の設定をしていない契約は、保証契約自体無効になるので、適切な極度額を設定、また明記する必要があります。

今までは期間も金額も上限がなかったのですが、賃貸者契約は更新が前提で進むので、更新がされると保証契約自体もずっと更新がされていく、期間の上限がない包括面保証契約という形でした。

もともとお金を借りる貸金債務について包括面保証契約は規定がされていたのですが、そもそも貸金の債務以外で多額の債務を負う想定がされていませんでした。

そのため、賃貸で考えると長期間滞納しているのに出ていかなかったり、中に入っている借り主が火事を起こしてしまって大きな負債を負ってそれが保証人に請求されるなど債務を負うところの想定がされていなかったので、今回それについてしっかりと規定がされました。

今回から、すべての契約に対して包括面保証契約、無制限の連帯保証というのが禁止になり、賃貸者契約にも同じように包括面保証が禁止になりました。

つまりは極度額を定めることになります。

この極度額を定めると極度額の範囲までは保証人が保証しますが、ここを超えた部分については責任を負わないという形になります。

この極度額をしっかりと定めるということが、今回の法律改正によって対応が必要になります。

では、極度額はいくらに設定すれば良いのか?という話ですが、極度額については、国土交通省の受託局から出ている参考資料をご覧いただければと思います。


民法改正2つ目の柱 465条の4について

 改正民法の465条の4、個人の根保証契約の元本確定自由についてです。

これは、賃借に借りている人または保証人が、どちらかが死亡した場合、その時の保証債務の元本が確定しますということが明記されています。

借りている人、保証人がどちらかが死亡した場合にその時の債務元本確定し、保証契約が終了します。

ですので、例えば、貸主、借り主、保証人がいて、ここで借りている方が、お亡くなりになった場合、この賃貸者契約自体は、この奥様がいる場合そこに相続がされますが、保証契約自体はここで終了します。

ですので、そこから先というと保証人がいない契約で継続をしてしまうということになるので、こういったことが起こった場合どう対応するかを賃貸者契約書の中にしっかり明記をして、連帯保証人、賃借人に重要事項として説明をしておく必要があります。

例えば、逆の場合、賃貸者契約で保証人がお亡くなりになってしまった時、この時点で元本が確定をします。

確定し元本については保証債務になりますので、当然、相続人がおいでになると奥様に相続されますが、ここで保証契約自体は終了します。

ですので、同じように保証人がいない契約がそのまま継続します。

ですので、賃借人、連帯保証人どちらかがお亡くなりになった場合、それまでは、それが相続して引き継がれていたものが、これからは、その時点で元本が確定して、保証契約は終了します。

契約書上、そうなった場合の処理についてしっかりと明記をして、説明をしておく必要があります。


民法改正3つ目、4つ目の柱 458条の2及び465条の10

 情報提供の義務については458条の2及び465条の10の2つがあります。

1つ目の458条の2は、主たる債務者の履行状況に関する情報の提供義務ということで、保証人から問い合わせがあった場合には、貸主はその借主がちゃんと履行しているか保証債務が発生していないかをしっかり伝える義務があることを記載しています。

注意すべき点は、もう1つの465条の10で、契約締結時の情報提供義務が科されています。

これは、事業用の契約を締結するときにはその締結前に借主が連帯保証人になる方に対してちゃんと情報提供をする義務が加わりました。

これが特に重要で、通常の賃貸者契約で個人に保証人をお願いした時にはそれで保証契約は成り立ちますが、事業用の契約の場合には事前に主債務者の財産や収支の状況、すなわち借りる人の財産の状況、事業収支の状況を連帯保証人に事前に伝えなければいけません。

そして、主債務以外の債務の金額や履行状況に関する情報(他に借り入れがある、他の返済状況)も事前に伝える必要があります。

これをやっておかなければ、保証契約自体は、無効になります。

したがって、事業用のものを扱っている会社は特にここが重要なポイントになりますので、しっかりと理解をしておく必要があります。 

今回、説明させいただいたものは、国土交通省の契約書のひな型を使用しているので、一度国土交通省のホームページを確認していただくと良いと思います。

このような諸々の条件が新しく追加されたので、この民法改正に対応する契約の書類の整備が必要になってきますが、それについても国土交通省のホームページの中にひな型がありますので、参考にしていただければと思います。 

1つ例に出すと、賃貸住宅の標準契約書の連帯保証人型を見ると、この2項の頭書(6)及び記名押印欄に記載する極度額を限度とする、さきほどの連帯保証人の記載する極度額同様、保証人の記名欄の下に極度額を記載して、条文の中にも折り込むことが必要です。

そして、債務の確定の要項は、「丙が負担する債務の元本は乙又は丙が死亡したときに確定する」という明記をしておきます。

そして、「丙の請求があったときは甲は丙に対し遅滞なく賃料及び共益費等の支払状況や滞納の額、損害賠償の額等、乙の全ての債務の額等に関する情報を提供しなければならない」と言う文言を契約書の中に折り込んでおくことが必要になりますので、参考にしていただければと思います。


まとめ

今回の保証のルールは、2020年4月1日から施行になりますが、契約日が4月1日では関係なく、契約を締結した日が有効になりますので抑えておいていただきたいです。

契約の締結した日が、いつなのか?ということで、旧の民法の対応か改正した民法の対応になるかが決まってくるので抑えておいてほしいです。 

例えば、今継続している賃貸者契約を4月1日以降に、合意更新した場合は、新しい民法の適応になり、そこは重要なポイントになりますので抑えておいていただきたいです。 

個人が保証人になる契約については、極度額を定めるという規定になっており、これが定めていないと無効になります。 

賃借人や連帯保証人のどちらかが、死亡した時には債務の元本を確定して保証契約が終了します。 

事業用の契約をする場合には、賃借人が保証人に契約を締結前に主債務者の財産の状況や収支の状況を説明しなければならないということ、主債務以外の債務の金額や履行状況についても情報提供を事前にしなければ、無効になります。 

次回も民法改正 の残りの賃貸経営に及ぼす3つのポイントについて解説しますので、また見ていただければと思います。


更に詳しい内容を動画で解説させて頂いておりますので是非ともご覧ください。




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