賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
企業内大学は、企業が独自に設立する社員教育機関であり、社員のスキルアップやキャリア開発を目的としています。
企業内大学の設立は、企業の成長と社員の満足度を向上に大きな効果をもたらします。
この記事では、企業内大学の概要、主なメリット、そして具体的な実践例について詳しく紹介します。
企業内大学とは、公的に認められた大学ではなく、社員が自主的に学ぶ場を提供する制度です。
企業内大学は、社員教育の一環として、社内に大学のような部署や機能を持たせることが特徴で、「コーポレート・ユニバーシティ」「コーポレート・アカデミー」とも呼ばれます。
企業内大学の始まりは1950年代に遡り、アメリカの主要企業が開設したのが最初です。
例えば、GE(ゼネラル・エレクトリック社)の「クロトンビル経営開発研究所」やマクドナルド社の「ハンバーガー大学」などの成功により、多くの企業が企業内大学の設立に注目するようになりました。
企業内大学は、一般的な社内研修とは異なり、以下の3つの点で特徴的です。
【目的】
一般的な社内研修では、ビジネスマナーやITリテラシーなど、業務遂行に必要なスキルの習得が目的です。
OJT(On the Job Training)を通じて、上司から部下に知識や技術を継承します。
一方、企業内大学は社員の将来のキャリアアップに焦点を当て、業務の専門性を深めることや経営戦略の理解を促進し、次世代リーダーを育成することを目的とします。
【講師】
企業内大学では外部講師だけでなく、優秀な社員を講師として起用する場合も多いです。
これにより、実践的な知識やノウハウを社員同士で共有し、業務に直接関係のある内容を学べる機会が増えます。
【講座内容】
一般的な企業研修では、企業の課題に基づいて講座内容が決定されますが、企業内大学では人事が社員の要望を把握し、ニーズに適した内容や講師を選出します。
社員が学びたいと思う講座内容が提供されるため、モチベーションが高まりやすくなります。
企業内大学(Corporate University)は、企業が自社で運営し、自社の戦略やビジョンに準じた教育・研修を提供する教育組織です。
これは、社員のスキルアップを図ると同時に、組織全体の業績向上を目指します。
企業内大学で提供するプログラムは、会社の文化、戦略、価値観を反映しており、社員がそれらを理解し、実践することをサポートします。
また、業務知識やスキルを深めるだけでなく、リーダーシップやマネジメント能力を育てるコースも設けられることが多いです。
企業内大学は、ビジネスの現場から離れた場所で学ぶだけでなく、現場で実際の業務に触れながら学ぶことができる特性を持ち、学んだことを仕事に生かしやすくします。
さらに、長期的な視点で体系的に人材育成を行うための機能も持ち、新入社員からエグゼクティブまで、各キャリアステージに応じたプログラムを提供します。
一部の大企業では、自社キャンパスを設け、専任の講師を雇用するなど、大学並みの規模と設備を有する企業内大学も存在します。
また、オンラインのeラーニングシステムを採用する企業も増えています。
このように、企業内大学は、従来の社員研修とは異なり、将来のキャリアアップや次世代リーダーの育成を目的とした総合的な学習システムであり、企業の成長と社員のキャリア開発に重要な役割を果たしています。
企業内大学を設立するメリットは以下のようなものがあります。
まず、スキルアップに関してお伝えします。
企業内大学は、社員に対して最新のビジネススキルや専門知識を習得する機会を提供します。
これにより、社員は業務遂行能力を向上させ、新たな挑戦に対応できる力を身につけることができます。
また、継続的な学習を通じて、社員の専門性が高まり、業務の質が向上するため、企業全体の競争力も強化されます。
次に、キャリア開発についてです。
企業内大学は、社員が自身のキャリアを積極的に進めるための道筋を示します。
キャリアパスの明確化や自己啓発の機会を提供することで、社員は将来のキャリア目標に向けた具体的なステップを踏むことができます。
これにより、社員のキャリア満足度が高まり、企業へのロイヤルティーも向上します。
さらに、企業内大学を通じて得たスキルや知識は、社員がリーダーシップポジションに進むための基盤となります。
企業は内部から優秀なリーダーを育成し、組織全体の成長を促進することができます。
社員は、自分のキャリアや能力開発に対する企業の投資を実感することで、仕事への意欲や満足感が高まります。
このような環境は、社員が企業に対してより強いコミットメントを持つことを促します。
企業内大学を通じて提供される教育プログラムやトレーニングは、社員同士の協力やコミュニケーションを促進し、共通の目標に向かって学ぶことで、チームの結束力が強まり、組織全体の協働意識が高まります。
このような協力的な環境は、社員のエンゲージメントをさらに強化します。
さらに、企業内大学は、社員が新しい知識やスキルを身につけるだけでなく、企業文化や価値観を共有する場ともなります。
企業のビジョンやミッションに対する理解を深め、自分の役割や貢献を実感することができます。
この認識は、社員のエンゲージメントを高める重要な要素となります。
最終的に、社員のエンゲージメントが強化されることで、社員の離職率が低下し、生産性や業績の向上にもつながります。
企業内大学の導入は、採用とリテンションの両面でも大きなメリットをもたらします。
採用においては、企業内大学があることが優秀な人材を引き付ける重要な要素となります。
候補者は、自身のスキルアップやキャリアの成長をサポートする環境を求めています。
企業内大学は、そのニーズを満たすための具体的な制度を提供し、企業の魅力を高めることができます。
次に、リテンションの強化についてです。
社員が企業内大学を通じて自己成長や学習の機会を得ることで、企業へのコミットメントが強化されます。
企業が社員の成長に投資していると感じることで、社員のモチベーションが高まり、長期的に企業に留まる意欲が増します。
さらに、企業内大学は新しい知識やスキルを習得する機会を提供するため、社員の職務満足度が向上します。
これにより、社員の離職率が低下し、結果として企業全体の生産性が向上します。
マクドナルドは1955年の創業から6年後の1961年に企業内大学「ハンバーガー大学」を設立し、人材育成に注力してきました。
日本でも、1971年に銀座1号店が開店する1ヵ月前にハンバーガー大学を開講し、その重要性を示しています。
ハンバーガー大学は最新の教育理論や手法を用いた専門教育機関として、東京を含む世界8ヵ国に設立されています。
日本のハンバーガー大学では年間約10,000人の受講者が卒業しており、マクドナルドの店舗社員は入社後に各店舗でOJTを受け、その後ハンバーガー大学でさらなる研修を受けます。
設立以来、数多くのフランチャイズオーナーや従業員を輩出し、マクドナルドのグローバルな成功に大きく貢献してきました。
ソフトバンク株式会社は、経営理念の実現に貢献する個性豊かな人材の育成を目的として、2010年に「ソフトバンクユニバーシティ」を設立しました。
この企業内大学の特徴は、講師の約8割がソフトバンクの社員であり、実務経験に基づいたノウハウを直接学べる点にあります。
ソフトバンクユニバーシティでは、2つの主要なプログラムを提供しています。
まず、ビジネスプログラムでは、マネジメント能力やキャリアマインドなど業務全般で必要なスキルを学ぶことができます。
次に、階層別プログラムでは、各階層に対応したコースで企業および個人の成長に必要なスキルを修得します。
これらのプログラムはアウトプット中心であり、実践的な学習が可能です。
社員は自主的に参加を申し出てスキルを学び、プログラムの受講者満足度は90%以上と高評価を得ています。
実践的な内容であり、「明日からできる、使える」ことを重視した教育が行われているため、ソフトバンクユニバーシティは非常に効果的な人材育成の場となっています。
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、次世代リーダーの育成を主な目的として「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)」という企業内大学を2020年に設立しました。
CCUJは、社員の育成と発展を目指した教育・トレーニングプログラムであり、リーダーシップトレーニングや営業スキルトレーニング、テクニカルトレーニング、ソフトスキルトレーニング、オンライントレーニングなど、多岐にわたるプログラムを提供しています。
2020年度は各階層(各グレード)から選抜された社員が参加し、キックオフミーティングでは同社の代表取締役社長カリン・ドラガンや人事本部長からの激励メッセージ、自己紹介セッションが行われました。
今後約10カ月間にわたり、社内外のリソースを活用したデジタルラーニングと対面型トレーニングを組み合わせたプログラムが実施される予定です。
CCUJは、これらの取り組みを通じて社員のスキルや知識を向上させ、企業全体の競争力を強化することを目指しています。
参照:コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)」 | コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
企業内大学を成功させるためには、計画的な導入と継続的な運用が重要です。
以下に、企業内大学導入の際に押さえておくべき主要なポイントを紹介します。
企業内大学の設立には、まず明確な目的と具体的な目標を設定することが不可欠です。
目的としては、社員のスキルアップ、リーダーシップの育成、企業文化の浸透などがあります。
目的に基づいて、短期および長期の目標を設定し、それに合わせたプログラムを設計します。
社員の教育ニーズを把握するために、徹底的なニーズ分析を行います。
アンケートやインタビューを通じて、社員が求めるスキルや知識を明らかにし、業務上の課題や成長分野を特定します。
この分析に基づいて、ターゲットとなる受講者層や必要なトレーニング内容を決定します。
ニーズ分析の結果を踏まえ、具体的なカリキュラムを設計します。
カリキュラムには、業務に直結する実践的な内容や、リーダーシップ、コミュニケーションスキルなどのソフトスキルも含めます。
最新の業界動向や技術トレンドに対応する内容を取り入れることで、社員のモチベーションを維持し、実践力を高めます。
社内外の専門家や経験豊富な講師を招いて、質の高い教育を提供します。
内部のリーダーや管理職が講師を務めることで、企業文化の共有や具体的な実務経験の伝達が容易になります。
また、外部の専門家を招くことで、最新の知識やスキルを取り入れることができます。
オンライン学習プラットフォームやeラーニングを活用し、インタラクティブな学習環境を提供します。
これにより、社員は自分のペースで学習でき、継続的にスキルアップを図ることができます。
また、グループディスカッションやワークショップを通じて、実践的なスキルの習得を促進できます。
企業内大学のプログラムは、定期的に評価とフィードバックを行うことで、効果を測定し、必要に応じて改善を行います。
受講者からのフィードバックや業績評価を基に、プログラムの内容や進行方法を見直し、より効果的な教育を行います。
企業内大学の成功には、経営層の強力なサポートが不可欠です。
経営層が教育の重要性を理解し、積極的に関与することで、社員の学習意欲を高め、プログラムの効果を最大化することができます。
経営層からのメッセージや参加は、社員に対する強いシグナルとなり、教育プログラムの重要性を再認識させることができます。
企業内大学を通じて得られたスキルや知識が、どのようにキャリアアップに繋がるかを明確に示します。
社員が自分の成長とキャリアの展望を理解できるようにすることで、モチベーションを高め、教育プログラムの価値を実感することができます。
企業内大学の運営には、社内外のリソースを効果的に活用します。
内部の専門家や経験豊富な社員を講師として起用するだけでなく、外部の教育機関や専門家と連携し、最新の知識や技術を取り入れます。
また、外部のトレーニングプログラムやセミナーに参加することで、社員のスキルアップを図ります。
教育プログラムが単なる義務ではなく、社員にとって魅力的なものとなるように工夫しましょう。
例えば、学習成果を評価し、成果を認める制度を設ける、学びの成果を業務に反映させる仕組みを作るなどの取り組みを行います。
社員が自分の成長を実感できる環境を整えることで、エンゲージメントを高めます。
企業内大学の導入は、企業の競争力を高め、社員の成長を促進するための重要な施策です。
企業内大学の導入により、社員は業務に必要なスキルを向上させ、キャリアパスを明確にすることで、企業に対するエンゲージメントも高まります。
企業内大学を成功させるためには、明確な目的と目標の設定、ニーズ分析、カリキュラムの設計、適切な講師の選定、インタラクティブな学習環境の構築、継続的な評価とフィードバック、経営層のサポート、明確なキャリアパスの提供、社内外のリソースの活用、そして社員のエンゲージメントを高める取り組みが重要です。
これらのポイントを押さえることで、企業は社員の成長を支援し、企業全体の競争力を向上させることができます。
企業内大学の導入により、企業と社員が共に成長するための効果的な学びの場を設け、持続的な成功を目指しましょう。
TATSUJINでは、不動産会社の企業内大学構築支援を実施しております。
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