賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
不動産投資において、物価上昇は重要な要素の一つです。
物価上昇が起こると、不動産投資に対するリスクやチャンスが変わります。
具体的には、不動産の価値、賃貸料、ローンの利息などが影響を受けます。
したがって、不動産投資家は、物価上昇について正確に理解し、そのリスクを適切に管理する必要があります。
今回は、不動産投資とインフレについて解説していきます。
インフレとは、一般的に物価の上昇を指します。
つまり、同じ金額で買えた物やサービスが、一定期間の間により高価になる現象を指します。
インフレは、通貨供給量が増加し、需要が供給を上回る場合に発生することが多く、その原因には以下のようなものが挙げられます。
金融政策の緩和:中央銀行が金融政策を緩和し、低金利政策を採用することで、貸出量が増加し、通貨供給量が増えることがあります。
資源価格の上昇:石油や食料などの資源価格が上昇すると、それに依存する産業の製品やサービスが高騰し、物価全体に影響を与えることがあります。
労働力の不足:労働力不足によって、生産性が低下し、製品やサービスの生産コストが上昇することがあります。
インフレ対策は、経済政策の中で重要な課題の1つとされています。
では、インフレに強く価値が落ちにくいモノとはいったい何でしょうか?
土地や建物などの不動産は、供給量が限られているため、需要が高まっても価値が下がりにくいとされています。
このため、不動産投資はインフレに強いとされ、将来の価値が期待できることから、多くの投資家に人気があります。
また、投資期間中に入居者から家賃収入を得ることができるため、不労所得としての効果も期待できます。
金や銀などの貴金属は、インフレが発生しても価値が下がりにくいとされています。
特に金地金は、どのような環境でも価値が変わらない安全資産として広く認知されています。
そのため、インフレなどの経済が不安定な状況下で需要が高まり、価格も上昇する傾向があります。
株式などの有価証券は、インフレに強い資産として考えられます。
有価証券は、企業の業績を反映した投資商品であり、インフレ時には、商品やサービスの価格が上昇し、それに応じて企業の収益も上昇します。
そのため、インフレ下でも企業の株価が上昇し、投資家の資産価値が減少することはありません。
日本でインフレが発生すると、相対的に日本円の価値が低下します。
外貨建ての資産を持っているとインフレの影響を受けずに済む可能性があります。
なぜ、不動産がインフレに強いと言われているのか、3つの理由を解説していきます。
不動産は、土地と建物からなる現物資産であるため、その価値は大幅に下落することがありません。
一方で、物価が上昇するインフレ環境下では、不動産の価格も上昇する傾向にあります。
そのため、インフレによる資産価値の低下リスクを抑えられます。
インフレにより、物価が上昇することで、家賃も上昇する傾向にあります。
不動産そのものの価値が上がるだけではなく、家賃収入も上昇していくので、不動産はインフレに強い資産とされています。
ローンを利用して不動産を購入した場合、物価上昇によって貨幣価値が低下し、ローンの借入金額が相対的に減少するため、実質的な負債が軽減されることがあります。
つまり、支払う金額は変わらなくても、その支払う金額そのものの価値は下がるということです。
このため、インフレによる財務リスクを低減することができます。
不動産投資は、インフレ時に強いとされる一方で、リスクも存在します。
不動産投資を始める前には、以下の注意点に気をつけましょう。
不動産投資には、値下がりリスクや賃貸収入の減少リスクなどがあります。
空室リスク:不動産を購入しても、入居者が見つからず空室が続くと、家賃収入が得られなくなります。
修繕費用リスク:不動産には定期的なメンテナンスが必要であり、その費用がかかります。メンテナンスを怠ると、不動産の価値が下がる原因になる可能性があります。
管理リスク:賃貸物件を所有する場合、入居者とのトラブルや管理上の問題が生じる可能性があります。そのため、入念な管理が必要となります。
金利リスク:不動産を購入する際には、ローンを組むことが一般的です。しかし、金利が上昇すれば返済負担が増加するため、資金計画に余裕を持たせる必要があります。
地価リスク:不動産の価格は、地域や時期によって大きく変動することがあります。地価が下落すれば、資産の価値が減少する可能性があります。
これらのリスクに対して、十分なリスクマネジメントを行うことが重要です。
具体的には、物件選びや入居者選定の際には、十分な調査や分析を行うことが必要です。
また、物件管理を行うための予算の確保や、入居者との契約内容の明確化など、リスクを軽減するための対策を講じることが重要です。
不動産投資においては、市場の需要や供給の状況を把握することが重要です。
例えば、人口が増加している地域や観光地など需要が高まっている地域に物件を所有することは、将来的な収益増加につながる可能性があります。
一方で、需要が低迷する地域に投資すると、将来的に収益が減少する可能性が高くなります。
また、物件選定においても慎重な検討が必要です。
例えば、将来的な需要を見込んで大型マンションを建設したとしても、周辺環境や設備の整備など、賃貸需要に合致しているかどうかを慎重に確認する必要があります。
さらに、物件を購入する前には、建物の設備や構造に問題がないか、周辺環境や法律上の問題などについても確認する必要があります。
このような点を確認することで、将来的なリスクを最小限に抑えることができます。
不動産投資を行うにあたり、運用に必要な資金を事前に確保することが必要です。
購入価格だけでなく、登記費用や仲介手数料、ローンの金利や返済期間、物件管理費や修繕費、固定資産税など、不動産投資には多くの費用がかかります。
また、投資目的や期間、収益目標などに基づいて、運用計画を策定することも大切です。
どのようなタイミングで売却するのか、資産の分散投資をするのか、賃貸管理を自分でするのか外部に委託するのか、などを事前に考えておくことで、トラブルを回避できる場合があります。
また、将来的に必要な修繕費や税金なども予め計画して、予算を立てておくことが重要です。
予期せぬ出費があった場合に備え、緊急時の資金も確保しておくことが望ましいでしょう。
不動産投資においては、契約や法律に関する知識が必要不可欠です。
賃貸借契約においては、定期借家契約や定期借地借家契約などの種類があり、契約内容や期間、更新方法、敷金・礼金の取り扱い、退去時の手続きなどについて正確な知識が必要です。
また、建築基準法などの法律に関しても把握する必要があります。
建物の耐震性や防火性、間取りや面積などについて、法律に則った基準を満たしているかを確認することが求められます。
これらの法律に違反している場合、法的な問題や賃借人からのクレームが発生することがあります。
税務や法務などの分野にも精通している専門家のアドバイスを受けることが望ましいです。
不動産投資においては、賃貸物件であれば入居者を募集し、家賃収入を確保することが大切です。
入居者に関するトラブルを避けるために、適切な対応や管理が必要です。
また、定期的な修繕やメンテナンスを行い、物件の価値を維持することも重要です。
さらに、将来的にリフォームや改修を必要とする場合には、その費用を予算に組み込んでおくことが必要です。
これらのことを考慮し、長期的な運用計画を立てて適切に運用することが不動産投資の成功につながります。
不動産投資はインフレに強く、将来の経済状況が読めない状況では魅力的な投資とされています。
しかし、インフレ対策としての魅力だけで始めるのは危険です。
不動産投資には空室リスクや老朽化・修繕リスクなど、他の投資にはない独自のリスクが存在するため、可能な限りのリスク回避策を事前に準備することが重要です。
また、不動産投資を始める前に、何よりも重要なのは投資の目的を明確にすることです。
投資目的に合わせて、どのような戦略で不動産投資を進めるか、どのような物件を選ぶかなどが異なってくるため、目的を明確にすることが投資の成功につながります。
無謀に始めるのではなく、まずは不動産投資を始める目的を慎重に検討するようにしましょう。
不動産は、インフレが起こったとしてもその影響を完全に受けないわけではありません。
しかし、不動産は物価上昇に伴って価値が上昇する傾向があり、家賃収入も上昇する可能性があるため、インフレに対して強いと言われています。
ただし、不動産投資はリスクがあるため、注意が必要です。
投資をする際には、リスク管理や市場調査、資金計画、法律の遵守、運用計画など、慎重な計画が必要です。
また、インフレ対策を目的にした不動産投資は危険であるため、過剰な期待は避けるべきです。
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