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DX化が進む不動産テック利用企業の裏側

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DX化が進む不動産テック利用企業の裏側

月イチ!!SWITCH

6月の月イチスイッチは賃貸管理会社のDXについて。

今回は賃貸物件の原状回復を行っている「決まる部屋づくり課」にスポットを当てます。

俺流・私流の賃貸管理業務が180度変化した?!

不動産テックを使った研修、スマホカメラを使った点検など脱アナログ化を行い、新人教育や不動産業務にどのような変化があったのでしょうか。

DX化が進む不動産テック利用企業の裏側を、入社15年を超えるベテランから入社5年目の若手社員まで、世代別で語って頂きましょう。


<目次>
賃貸管理会社のDX
 「ザ不動産屋」のアナログ期
  DX化促進|デジタルへの移行期
  デジタル業務しか知らない?!変革期
賃貸管理会社のDX|気を付けたいつまづきポイント
まとめ


賃貸管理会社のDX

「ザ不動産屋」のアナログ期

DX入社当時はまだ紙ベースでした。

賃貸管理部部長 坂井:私は入社16年目になります。

入社した頃はまだ、タカラ不動産という社名でした。

入社してすぐ配属になったのが賃貸管理部の今で言う「決まる部屋づくり課」でした。

当時は名称も違いましたが「傷んでいるところを原状復旧する」ことをただ単にこなしていました。

まず、iPadなどもなく全てが紙ベースでした。

現地に行って自分の感覚で点検し、自分の感覚で報告していました。

見積もりは、業者に電話して見積もり依頼をしてFAXを送って終わりでした。


クラスコ常務取締役 清水:進捗管理や点検履歴、精算履歴の管理はどうしていましたか。


賃貸管理部部長 坂井:15年前の話なのでうる覚えですが、完全に紙でしか残っていませんでした。

確か、進捗管理はその都度机の上の山積みの紙を確認していたと思います。

履歴の管理は大きなファイルボックスでしていましたね。

写真を撮った記憶もないので、現場を目で記憶していました。

ですので、点検の記録もメモ程度でしか書くことが出来ていなかったと思います。

ここ数年で劇的に業務のやり方や管理が変わりましたね。

こんなに変わるとも思っていませんでしたが、180度変化したと感じています。


クラスコ常務取締役 清水:昔は個人でやり方も違いますし、レベルも違いましたが、今はある程度一定のレベルで点検出来ていますね。

経験の浅いスタッフも多いですが早い段階で点検作業を行なっていますよね。


賃貸管理部部長 坂井:そうですね。

責任者も含めて入社5年未満のスタッフが多いですが、新入社員も含めて不動産テックで点検を行なっています。

配属が決まると必要な知識をインプットするためにeラーニングを視聴していただいて、その後ロープレを行い、現地に行っていますね。

基本的なことは頭に入っているので、基礎的な知識を教えることは少なくなりました。


DX化促進|デジタルへの移行期

DX業務の一部のみデジタル化していました。

決まる部屋づくり課MG 山谷:入社7年目になりますが当時は一部の社員しかデジタル活用はしていなかったと思います。

GoogleドライブやEvernoteなど一般的なツールは使用していましたが、今使っているような不動産テックは使っていませんでした。


クラスコ常務取締役 清水:今の新入社員は、入社するとeラーニングで知識のインプットを行いますが、山谷さんの時はどうでしたか。


決まる部屋づくり課MG 山谷:僕の時は2週間くらい直接教えていただく対面での研修がありました。

それが終わると各部署での研修やOJTがスタートしていきました。

今は、配属されると配属先に特化したeラーニングを視聴します。

例えば、決まる部屋づくり課だと「退去時の点検、原状回復の実務とノウハウ」「費用負担割合の算出」と言ったような項目があります。

そこである程度の知識をつけていただいた上で、現場に向かいます。

先輩から直接教わると、教え方も時間も違うので「自分流」になりがちですが、決まり切ったことをみんなが同じ内容で学んでくるのでスタートの足並みは揃っている気がします。

そのあとは、eラーニングで覚えたツールを実際の現場で使っていきます。

先輩と一緒に点検作業を行いますが、大体一週間〜十日ほどで独り立ちできますね。

昔は1ヶ月はかかっていたので、本当に早くなったと感じています。


クラスコ常務取締役 清水:実際に建物点検アプリを作るときに、山谷さんも一緒に作ったじゃないですか。

実際に不動産テックを作り使ってみると、仕事に与えるインパクトはどうですか。

働く側、使う側として働きやすい、業務をこなしやすいなどはありますか。


決まる部屋づくり課MG 山谷:実際に使う側からの目線でいくと、原状回復の点検のところでいうと、紙に書いている点検者しか分からないような内容が、管理部だけでなく会社全体で部屋の中の状況を確認できるような仕組みになりました。

今は時間がかかっているかもしれませんが、それが他の業務にも繋がっていきますし、単体でこれが分からないと言うこともないのでそこは改善されました。


クラスコ常務取締役 清水:そうですよね。

もともと紙の図面に不具合をチェックしてメモして終わりでしたから、不具合のない箇所はチェックしていませんでしたよね。

今は決まった箇所を全部チェックして写真も複数枚撮って、点検データは全てクラウド上で共有されますね。

賃貸営業の人も退去点検が終わっているかどうかを見ていると言っていましたよ。

入居後のトラブルの際も、室内の設備などの状況が写真でわかるため対応もスムーズに行うことが出来ますね。

決まる部屋づくり課MG 山谷:マネージャーの目線でいくと、今までは一人のスタッフが自分の中で案件を蓄えると、隠れてしまう部分がどうしてもありました。

デジタルで共有することで見えない部分が見える化出来ます。

例えば不動産テックの「きろくん」だと、行動の範囲から点検の内容や件数、時間も把握出来るので、直接本人に聞かなくてもこちらで確認することが可能です。

今、どこで何をしていてどのくらいの時間がかかっているのか瞬時に把握できることはありがたいですね。

今の新入社員はスマホ世代であり、デジタルツールもすぐに使いこなしますし、リテラシーが高いと感じています。


デジタル業務しか知らない?!変革期

DX若手のエースもテック活用

クラスコ常務取締役 清水:入社5年目の宮越さんはデジタル世代ですね。

2020年、より注目されている不動産テックですが、数年前から点検業務に使っていますね。

実際に現地の点検に行く時は、建物点検アプリを使用しているんですよね。


決まる部屋づくり課 宮越:使っています。

持っていくものはiPadとスマホです。

建物点検アプリのきろくんでお部屋の中を撮影、記録して、iPadに書き込みをしてその場でその情報を業者に送っています。

慣れるまでは、どうしても時間がかかってしまうので大変な部分もありました。

でも慣れてしまうと、きろくんで写真を撮っていないところがあると少し不安になるくらいです。

今は記憶ではなく、きろくんを見て見積もりを作ったり、常に開きながら業務をこなしているので写真がない時のことは今では考えられないですね。

後は、前回の点検の記録が写真で残っている時と、写真がない時の安心感の違いがありますね。


賃貸管理会社のDX|気を付けたいつまづきポイント

クラスコ常務取締役 清水:デジタルを使うと業務効率が良くなる、生産性が上がるなど頭ではわかっていますが、なかなか浸透しない部分もあると思うんです。

特に使い始めは、クラスコ内でも定着しませんでした。

あれは何が原因なのですか。


決まる部屋づくり課 宮越:僕の場合は単純に一日に回れる点検数が少なくなってしまうので、しっかりと点検出来ているのに仕事が遅くなってしまったと感じてしまう部分がありました

ですので、なかなか使うのが難しいと感じていましたが、慣れてしまえば、全て写真で残すので見落としや見逃しなどがなくなり、時間はかかりますが点検の精度は上がりました。


クラスコ常務取締役 清水:効果があることを理解した上で進んでいくと、抵抗なくできるかもしれませんね。

現場の生の体感値みたいなものをアウトプットしていくと使っていけるのかもしれないですね。


決まる部屋づくり課MG 山谷:新入社員はなんでも抵抗感なく使ってくれますし、すぐ覚えてしまうんですが、ベテランの社員に対してどう使ってもらうかということが、導入の推進にもつながっていくかなと思います。


▶︎きろくんHP


まとめ

不動産テックは全ての履歴が残り、蓄積されていくので社員の異動や退職でデータがなくなることもありません。

不動産テックを活用しながら磨いて、業務フローを見直してさらにまたDXできることがあれば追加していく、これはテック開発企業だからこそできることなのかもしれません。



DX化が進む不動産テック利用企業の裏側を大暴露‼︎~賃貸管理編

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