賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
現在、少子高齢化や人口の都市部集中の影響で空き家がどんどん増えています。
特に築古物件の買い手や借り手を見つけるのはとても難しく、空き家問題は深刻化しています。
かといって空き家をそのままにしていては様々なリスクを生じさせてしまいます。
今回は、そんな空き家問題について解説し、対策として物件を空き家にしない方法について紹介します。
皆さんご存知のとおり日本では少子高齢化が急速な勢いで進んでおり、人口は減少傾向にあります。
都市部には人が集中していますが地方では過疎化が進んでおり、高齢になり自宅物件の管理を適切に行えなくなることが多くなっています。
また、地方の高齢者が死亡したときに家を相続した人たちが関心なく放置してしまうこともあります。
そのため全国、特に地方では空き家が急増し、問題となっています。
総務省統計局が発表した平成30年住宅・土地統計調査によると空き家数は年々増加しており、空き家率が平成30年には過去最高の13.6%となっています。
また、空き家物件の数は昭和63年からの30年で452万戸増えており、空き家問題が加速していることがわかります。
このように空き家問題は年々深刻化しており、対策を講じる必要性が高くなってきています。
居住者がおらず物件が空き家になってしまうことでいくつかの問題が発生します。
近年は空き家の増加に伴って空き家に関した問題が度々話題に上がってきます。
まずは空き家対策を行わずに放置するとどういった問題が発生するのかみてみましょう。
空き家になってしまうと当然ですが住む人がいないので家は荒れます。
そうなると屋根や壁が朽ちて景観も害されますし、草が伸びて隣地に飛び出したりすることで邪魔になったりします。
また、ゴミが不法投棄されると異臭問題に発展する可能性もあります。
何より、家の近くにボロボロの廃屋があったら気分はよくないので、迷惑に思われるのは間違いないでしょう。
空き家が老朽化することにより屋根や壁が崩れて近所の人に危険を及ぼす危険性があります。
特に子どもからすると空き家は秘密基地なので、子どもが集まることで余計に危険性が高くなります。
対策をしようにも住んでもいないのに管理をするとなるとかなりのコストがかかります。
仮に空き家によって損害を与えてしまった場合は物件の所有者の責任となるので、放置しているだけで損害賠償を払わなければならないリスクを背負うことになります。
空き家は人の目につかない場所なので犯罪に利用されるリスクもあります。
空き家が詐欺グループのアジトや大麻の栽培場所になっていたというニュースを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
また、空き家が放火の被害に遭うということも度々あります。
そうなると空き家対策を講じずそのまま放置するということは犯罪者に場所を提供していることになってしまいます。
犯罪抑止の観点からも空き家の放置は望ましくありません。
宅地上の物件であれば特例によって固定資産税などが軽減される措置がなされます。
しかし、空き家を放置することで、その空き家が「特定空き家」に指定されてしまうと、特例の適用外になり、税金額が大きく増額されることになってしまいます。
「特定空き家」とは、放置することで倒壊の危険性があったり、周辺の環境に大きな被害をもたらす可能性のある空き家のことです。
また、特定空き家の状態でさらに放置されると最悪の場合、自治体によって強制的に取り壊しを受け、その取り壊し費用を請求される可能性もあります。
ではどうすれば空き家にせず、有効活用ができるのでしょうか。
今回は特に地方での空き家対策法を紹介します。
空き家対策で代表的なものが民泊での活用です。
地方に行くとホテルがない地域も存在しますし、「せっかく都市部から来たのにホテルはちょっと...」と味気なさを感じる人も一定数います。
空き家を民泊として貸すことでそういったニーズに対応することができます。
特に、海外からの観光客は日本ならではの体験をしに来ているので、日本家屋で宿泊できるという体験を求める人はとても多いです。
民泊にしようとすると法令上の制限などがあり、それなりに準備は必要ですが、観光客がよく訪れる場所にある物件であれば効果は高いでしょう。
詳しくは観光庁が民泊支援をしているので参考にしてみてください。
民泊制度ポータルサイトはこちら
空き家バンクとは地方自治体が行っている制度で、空き家の賃貸や売却を希望する所有者から情報を提供してもらい、空き家をこれから利用したいと考えている人に紹介する制度です。
自分で空き家の利用者を探すよりも簡単ですし、自治体が主体となって運営されているので安心してまかせられます。
今までは空き家を購入したい人に対しては補助金が出たりはしていましたが、貸主(所有者)に対しては補助はなく、貸す前に一般的な賃貸借の通例に則って必要な修繕をしなければならなかったので躊躇っている人が多くいました。
そこで最近は「貸主負担DIY型賃貸」が導入されています。
これは所有者が修繕の費用を負担しない代わりに借主がDIYをした部分について退去後の原状回復をしなくても良いというものです。
これによって空き家の所有者は登録しやすくなりました。
空き家を資産として活用したい人にはオススメです。
空き家バンクについての詳しい記事はこちら
https://retech-network.com/posts/work-knowledge/detail/319
これは収益よりも地域貢献に重きをおいた空き家対策としての活用法ですが、賃貸物件などで空き家を活用しない場合、地域のコミュニティスペースとして利用してもらう方法があります。
例を挙げると、町内会の会議室やサークル活動、子供や高齢者の集いの場として活用します。
賃貸での需要がない地域であったり、収益よりも地域貢献と考えている方にオススメの活用法です。
直接利用希望者と話し合いをするのも手ですし、自治体に相談してみても良いかもしれません。
使用しなくなった物件をお試し移住用の住宅として貸す方法もあります。
お試し移住用の住宅とは、地方に移住したい人に向けて短期間で貸し、地方での生活を体験してもらうための住宅です。
地方への移住を検討している人は実は多く存在しますが、いきなりの移住は敷居が高く足踏みしている人も大勢います。
そういった人に数ヶ月間お試しとして貸すことで賃料も取れますし、気に入ってもらえれば継続利用、場合によっては買い取ってもらうことも可能です。
まずは、地域の自治体に相談して移住用のプログラムなどに参加するところから始めてみましょう。
年々空き家は増加していますが、活用の仕方を変えれば空き家物件の需要もそれなりに存在します。
一番ダメなことはそのまま放置し、様々な問題を発生させてしまうことです。
今は空き家を再生させるプロジェクトなど自治体が主導となって様々な空き家対策を講じているので、それらを参考にどういった使い方があるのかを考えてみてはいかがでしょうか。